1億円の宝くじが当選したとき…税金を払う必要はあるのか?
1980年代、私の両親は、夢を追いかけて、宝くじを買い続けていました。
「どうせ当たらないのに、なぜ、買い続けているのだろう?」
当時、私は小学生でしたが、ずっとこのように思っていました。
しかし、ある日、母が新聞で当選番号と宝くじ券を照合させていたら…
「当たったーーー!」
母が大声で叫んだのです。
家族みんなで驚いたことを今でも鮮明に覚えています。
1等ではありませんでしたが、なんと10万円が当たっていたのです。
貧乏だった我が家において、当時の10万円はインパクトとしては大きすぎました。
しかし、この当たった10万円…
果たして、まるごと手にすることはできるのでしょうか?
今回は、宝くじに当たったときの税金の話です。
もし、宝くじで当たったら…
例えば、宝くじで1億円が当たったとしましょう。
このとき、あなたが手にすることのできる金額はいくらだと思いますか?
なんとなく税金が差し引かれそうな気がしますよね…。
結論を言えば…
税金は1円もかかりません。
宝くじが1億円当たったら、1億円まるごともらえます。
税金を払わなくてもいいのは、宝くじは、買った時にすでに税金を支払っているからなのです。
しかも、税率はなんと40%。
宝くじの購入金額の40%が、住民税として、地方自治体に納められているのです。
1枚300円なら、300円*40%=120円が宝くじを購入した地域の税収となります。
宝くじが当たった時に注意すること
宝くじの当選金に税金はかかりません。
ホッとしましたか?
しかし、宝くじの当選金には、ひとつだけ注意する点があります。
それは、贈与税の話です。
贈与税とは、お金を他の誰かに渡すときに発生する税金のことをいいます。
現在、年間110万円を超える金額の贈与に関しては、50%の贈与税がかかることになっています。
宝くじで当たった人が、他の人にお金を渡すと、この贈与税がかかってしまうのです。
お世話になっている両親に、1億円のうち、半分を分けて振り込んであげる…
気持ちはわかりますが、このような行為は、間違ってもしないようにしましょう。
贈与税は高いので、信じられないくらいの税金を支払うことになります。
そもそも、宝くじって当たるの?
宝くじに当たった時の話をしてきましたが、実際、宝くじって簡単に当たるものなのでしょうか?
簡単に当たらないことくらいは誰でも分かります。
ここでは、ざっと数値で押さえておきましょう。
宝くじを全部買って、当たった金額を全部換金した場合、だいたい50%ほどが戻ってくる計算になっています。
類似のギャンブルと比較してみると…
・宝くじ:約50%
・競馬競輪競艇:約75%
・パチンコ:約80%
・FX:約90%
宝くじは、儲かるような仕組みではないことが分かります。
ハイリスク・ハイリターンの代表的な金融商品であるFXのほうがまだマシのようです。
かつて、私の両親が追いかけたように、宝くじはあくまで夢を追うためのものです。
当てるためのルーチンワークにだけはしないように心がけていただきたいと思います。
あ、そうそう、もう一点だけ。
宝くじが当たっても税金はかかりませんが、競馬・競輪・クイズの賞金には税金がかかります。
一時所得に対して税金がかかることになるのです。
競馬や競輪で年間の儲けが50万円を超えたときには、確定申告をする必要がでてくることに注意しましょう。