「死ぬ瞬間が一番お金持ち」…ドラゴンクエストに習うライフプラン
あなたは、ドラゴンクエスト(ドラクエ)などのロールプレイングゲームをしたことがありますか?
私は学生の頃、よくドラクエをして遊びました。
ゲームを開始したばかりの頃は、主人公のレベルも低く、武器防具も弱いので、なかなか敵に勝てませんよね。
このため、ゴールド(お金)もなかなか貯まりません。
しかし、ゲームも後半から終盤になってくると…
主人公は経験値を稼いで、とても強くなるため、武器防具やゴールド(お金)に困ることは殆どなくなります。
そして、最後の敵(ラスボス)を倒す頃には、ゴールド(お金)は余りまくっていました。
私は子供心ながら、
”もったいないなぁ”
とよく感じたものです。
日本人の資産構成
日本銀行が発表している資金循環統計によりますと、家計が保有する金融資産は1845兆円に達したとのことです。(2020年上期)
このうち、1000兆円近くが、現金・預金ということです。
ほとんどの日本人が、利息のつかない状態でお金を寝かせていることが分かります。
経済や景気の観点から見ると、なんともったいないことなのでしょう。
この眠っている1000兆円のお金が市場で回るようになると…
景気はかなり良くなると思いませんか?
ところがどっこい、この1000兆円はなかなか動かないのです。
なぜでしょう?
その理由は
「高齢者の漠然とした将来不安」
にあります。
お金を銀行にたくさん預けているのは、一部の資産家と高齢者だと言われています。
若い世代の人たちの貯蓄額は微々たるものです。
このお金を持っている高齢者が、
「欲しいものがない」
もしくは
「欲しいものがあっても、将来が不安なので貯蓄に回したい」
と感じているので、お金は市場に出回らない構造になっているのです。
将来の何が不安だと具体的に言える人は少ないと思います。
しかし、年金や介護、少子化など、なんとなく不安そうだという思いは誰もがもっていると思います。
それを払拭しないと、この先、1000兆円のお金は眠り続けたままになるでしょう。
2020年のコロナショックも、需要は増えてこない状況です。
これも、将来に対する不安ではなく、コロナ感染に対する不安という意味では、状況は似ていると言えるでしょう。
死ぬ瞬間が一番お金持ち
冒頭のドラクエの話に戻りましょう。
ドラクエでは、終盤になると、ゴールド(お金)が余ってしまい、使い道がなくなると言いました。
私は、私たちの人生も、ドラクエと同様の構造になっているのではないかと考えています。
若い頃は、経験もなく、お金がなくて四苦八苦して生活することになります。
中年になっても、住宅ローンや子供の教育費などで、生活はなかなか豊かになりません。
しかし、がんばって経験を積んで高齢者になると、ローンも完済し、資産も増えたけど、若い頃のような使い道がなくなります。
で、死ぬ頃になると、貯金したお金を使えないままだった…
という道をたどる人のなんと多いことか。
これは、誰もが他人事ではない話だと思います。
お金は元気なうちに、そして必要なうちに必要なことに使うのが一番です。
”お金は、なんとなく貯めるためのものではなく、あなたが必要なときに使うためにあるもの”
だと思うのです。
では、どうしたら、この状況を打破できるのでしょうか?
ライフプランとファイナンシャルプラン
あなたが、あなたの人生の中で、どのようにお金の計画を稼ぎ、そして使っていくのか、考えたものを
「ファイナンシャルプラン」
と言います。
ファイナンシャルプランナーと呼ばれる人たちが
「何歳で子供を産んで、何歳で住宅ローンを返済して…」
などと試算しているのを、テレビや雑誌など見たことのある人は多いのではないでしょうか。
あなたの将来のことは、あなたを含め、誰も分かりません。
しかし、ある程度、お金の出入りを予想しておくことは、豊かな生活を送るためにはとても重要なことだと思います。
一点だけ。
このファイナンシャルプランには、大前提があります。
お金を試算する以前に、
「あなたがどんな人生を送りたいのか」
を明確にしておく必要があるのです。
これを「ライフプラン」と言います。
そもそも、ライフプランがないと、今後の人生でどれだけお金が必要で、その資産をどのように運用していくか、というファイナンシャルプランを立てることはできません。
あなたが生涯独身を熱望しているのであれば、子供や教育費のことは考える必要はないでしょう。
一生賃貸暮らしを考えているのであれば、住宅ローンの金利を考える必要もないでしょう。
若いうちに激しく稼ぎたいのか、安定した人生を送りたいのか、好きなことをして生活していきたいのか…。
まず、あなた自身が、あなたの人生をどうしたいのか、整理することが真っ先にすべきことなのです。
そうすることで、
「死ぬ時が一番お金持ち」
という状況を少しでも回避することができるようになるのです。
言い方を変えると、
「今がお金の使いどきだ!」
というポイントを明確にするイメージでしょうか。
ライフプランがあってのファイナンシャルプラン。
専門家に頼まなくても、雑誌やホームページには、簡単に診断するツールが散らばっています。
一度、自分の人生を客観的に眺めてみませんか?