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入院・病気のときの強い味方、高額療養費制度(健康保険)を活用しよう!

2017年5月20日健康・セーフティネット

あなたが、大きなケガをして、1ヶ月ほど入院することになったときのことを考えてみましょう。

このとき、医療費が100万円ほど、かかったとします。

大変な出費ですが、あなたは、運良く、健康保険に加入していました。

健康保険では、自己負担が3割です。

このため、あなたは、銀行から30万円ほどお金を下ろしておけば安心なのでしょうか…。

いえ、実はそうではないのです。

あまり知られていませんが、健康保険には、お得な制度があるのです。

高額療養費制度の概要

健康保険には、「高額療養費制度」というお得な制度があります。

簡単に見ていきましょう。

高額療養費制度とは、1ヶ月に自己負担する医療費の上限を定め、それを超えた分が給付されるというものです。

上限額は年齢と年収によって決められています。

先ほどの例で言えば、あなたが、70歳未満で、年収370万円から770万円程度だった場合、自己負担額は、8万7430円になります。

8万7430円を超えた分は、健康保険から給付されるため、あなたは、医療費を30万円も支払わなくてもいいのです。

すごく助かる制度ですよね。

1ヶ月の自己負担の上限額を示します。

●70歳未満の場合

・年収:1160万円~
252600円+(医療費-842000円)×1%
・年収:770万円~1160万円
167400円+(医療費-558000円)×1%
・年収:370万円~770万円
80100円+(医療費-267000円)×1%
・年収:~370万円
57600円
・住民税非課税
35400円

●70歳以上の場合

・現役並み所得者
80100円+(医療費-267000円)×1%
・一般
44400円
・低所得者
24600円
・総所得金額ゼロ
15000円

先ほどの例だと、医療費が100万円かかっていましたので、次の式に当てはめます。

・年収:370万円~770万円
80100円+(医療費-267000円)×1%

80100円+(1000000円-267000円)×1%=87430円

つまり、上限額が87430円なので、あなたが、支払う金額は87430円だけで済むのです。

高額療養費制度の申請方法

では、高額療養費の制度を活用したいときには、何から始めればいいのでしょうか。

さまざまな方法がありますが、一番簡単なのは、あなたが加入している健康保険組合に電話する方法です。

保険証に電話番号が書いてあるはずです。

先に30万円を支払って、限度額との差額が、後で戻ってくる場合もあります。

先に健康保険と調整して、証明書をもらっておけば、あなたは、病院に限度額だけを支払えばいいようにすることもできます。(この場合、病院が健康保険組合に直接請求してくれます。)

お金に余裕がある人であれば別ですが、30万円も立て替えておくのは厳しいという人もいるでしょう。

このような人は、病院の窓口で限度額だけを支払えばいいように、事前に健康保険組合に電話しておくとよいでしょう。

なお、70歳以上の人であれば、お金を立て替える必要はなく、何もしなくても、病院の窓口では、限度額を支払うだけでOKです。

高額療養費制度をうまく活用するコツ

健康保険に加入している人で、大きなケガをした場合には、支払うお金に限度額があるのでお得です、という話をしてきました。

では、もう一歩進めて、入院のタイミングについて、触れておきたいと思います。

入院するタイミングによって、実は、高額療養費制度には、大きな損得が発生することになるのです。

結論から言うと、月初から入院したほうがお得になります。

もちろん、すぐに入院する必要がある場合は、この話は無視していただいて結構です。急に入院する必要がない場合に限ります。

仮に、1ヶ月入院する場合、月初に入院したケースと、月中に入院したケースを比較してみましょう。

●月初に入院したケース(1日に入院して30日に退院)

先ほどの上限額の式に当てはめます。

80100円+(1000000円-267000円)×1%=87430円

この場合、自己負担額は87430円になります。

●月中に入院したケース(16日に入院して翌月15日に退院)

入院月に50万円、退院月に50万円かかったとします。

入院月:80100円+(500000円-267000円)×1%=82430円

退院月:80100円+(500000円-267000円)×1%=82430円

この場合、自己負担額は、82430円+82430円=164860円になります。

このように、入院した日数も、医療費も同じだったとしても、入院のタイミングによって、自己負担額は大きく異なってきます。

ようは、月単位で、医療費の上限額を定義していますので、できるだけ、入院する期間は1ヶ月の中にまとめたほうがお得なのです。

生死に関わるような緊急入院の場合は別ですが、入院の日程を自分でコントロールできるような場合は、この仕組みを覚えておくとよいでしょう。

私の高額療養費制度の体験記

ちなみに、この高額療養費制度は、私も2度ほど、活用しました。

もともと、私は、膝の半月板を痛めていました。

そこで、1度目は、半月板を一部切り取る手術、数年後、2度目は、半月板を固定する手術を受けました。

膝は痛かったのですが、どちらも、生死に関わるような緊急手術ではありませんでした。

それまで、私は高額療養費制度があることは知っていましたが、深く理解していなかったため、1度目は、月中に入院しました。

そして、少しだけ、お金が戻ってきて嬉しかったのを覚えています。

しかし、月またぎで入院したため、少し損をしたような気分にもなりました。

2度目は、1度目の反省を踏まえ、月初に入院することにしました。

そして、上限額をフル活用して、最大限の還付を受けることができました。

このように、健康保険の仕組みをはじめ、公的な制度は、知っているか知らないかで、損得が大きく変わってきます。

ケガをしてからでは、このようなお金の話を、冷静に考えることはできません。

健康保険や医療費の話は、保険も絡めて、普段から、情報収集しておくことをおススメします。

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Posted by かずきび