住宅ローンよりも不動産投資のローンを先に返済したほうがいい3つの理由!
例えば、あなたが、自宅の住宅ローンと投資用不動産のローンの両方を抱えていたとします。
このとき、この2つのローンは、一体、どちらを先に繰り上げ返済すべきなのでしょうか。
実際、不動産投資家の多くが、自宅の住宅ローンを抱えながら、投資用不動産のローンを利用しています。
私もそうです。
地味ながら、繰上げ返済の効果は大きいので、こういった悩みをもつ人はとても多いです。
私の回答としては
「投資用不動産のローンを先に返済する。」
が正解だと思っています。
理由は3つです。
今回は、この理由について、順番に紹介していきたいと思います。
投資用不動産ローンを先に返済したほうがいい理由(その1)
まず、1つ目の理由としては、自宅の住宅ローンを完済したとしても、1円の利益も産み出さない点を挙げることができます。
自宅は、あなた自身やあなたの家族が住む場所です。
あなたの家族の生活の拠点ということで、第三者に賃貸しているケースは非常に少ないと思われます。
このため、住宅ローンを完済したからといっても、家賃収入が手に入るわけではありません。
自宅の住宅ローン返済後は、ローン返済に回していたお金がまるまる浮くことになるので、このお金を使って、投資用不動産のローンに充てるという考え方もあるでしょう。
ところが、もし、あなたが自宅の住宅ローンの返済中、病気やけがによって長期間仕事から離れ、給料が途絶えてしまったとしたらどうでしょうか。
収入はストップしますが、自宅のローン返済は、待ってくれないはずです。
その間のローン返済は、あなたがコツコツと貯めてきた貯金を取り崩すなどして支払う必要があります。
もし、投資用不動産のローンを先に完済していた場合には、入ってきた家賃収入を自宅のローン返済に充てることが可能になります。
複数の収入源をつくることで、収入源の1つが絶たれてしまったときのリスクをカバーすることができるのです。
例えば、自宅の住宅ローンと投資用の不動産ローンをそれぞれ2000万円ずつ、期間30年で借りたとします。
この場合、マイホームの金利を0.6%として計算すると、月々の返済額は約6万円となります。
投資用ローンは金利を1.55%で借り入れ、手取り利回り4.5%の物件を購入したとします。
すると、毎月の返済額は約7万円となります。
このとき、投資用マンションから得られる毎月の手取り家賃収入は7万5000円なので、毎月手元に5000円が残る計算となります。
そして、投資用ローンを完済して、まるまる家賃収入が手に入るのであれば、自宅のローン返済6万円に充てたとしてもおつりがやってきます。
投資用不動産ローンを先に返済したほうがいい理由(その2)
2つ目の理由が、支払利息の節約効果です。
同じ借入期間でローンを利用した場合、金利が高いものほど、借入期間中に支払う利息総額も大きくなります。
先ほどのケースで考えてみますと、30年の借入期間中に0.6%の金利で借りた自宅用ローンの支払利息額は約186万円になります。
一方、1.5%で借りた投資用ローンの支払利息は約500万円にもなります。
同じ金額、同じ期間借りた場合でも、金利が0.9%異なるだけで、3倍近くも利息の支払額が高くなるのです。
支払利息を圧縮するためにも、一般的に金利の高い投資用不動産のローンから返済を進めていくのが定石だと思われます。
投資用不動産ローンを先に返済したほうがいい理由(その3)
3つ目の理由が、ローンのないマンションの担保価値を活かせることです。
ローンのないマンションを担保として提供することで、さらに有利な融資条件で借入を利用できる金融機関もあります。
一般的に、自宅よりも投資用マンションのほうが購入価格は安いケースが多いため、ローンの金額も自宅用よりも投資用ローンのほうが小さくなります。
このため、同じ金額を繰り上げ返済に充当した場合、投資用ローンの完済のほうが早くなります。
低い金利で融資を受けることができれば、手取り家賃収入からローン返済額を差し引いた資金も、手元にたくさん残すことが可能となります。
つまり、繰り上げ返済の余力が大きくなり、資産拡大のスピードも加速させることができるのです。
また、自宅の住宅ローンの場合、投資用ローンにはない
「住宅ローン控除」
が使えるので、控除期間中は借りておくほうが、メリットがあります。
例えば、2020年に自宅を購入するためにローンを組み、住み始めた人は、10年間にわたって年末の借入残高の1%(最大40万円)分の控除を各年の所得税額からうけることが可能となります。
特に、住宅ローンをフラット35で借りている場合、固定金利なので、そもそも金利の上昇リスクがありません。
焦って返済する必要はないのです。
以上、3つの理由から、私は、自宅のローンよりも、投資用不動産のローンを先に返済するのがいいと考えているのです。