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プロフェッショナルCFO(財務戦略)の難易度と資格取得体験記

2017年10月20日資格・スキル

今回は「金融業務2級/財務戦略コース試験」という資格を紹介したいと思います。

この試験は、2017年までは、

「金融業務能力検定/企業価値向上のための財務戦略エキスパート試験」

という名称でした。

2018年に金融財政事情研究会のほうで、試験のレベルに見直しがかけられ、現在の名称になりました。

また、この試験は、一般社団法人日本CFO協会の

「プロフェッショナルCFO資格」

を取得するための認定試験を兼ねています。

私もそうでしたが、この試験は事前の試験対策情報がなく、受験前の準備には大変苦労しました。

資格の概要

以前、同様の形式の試験である

・事業承継・M&Aエキスパート試験(現:金融業務2級/事業承継・M&Aコース)
・iDeCoプランナー(現:金融業務3級/iDeCoコース)
・事業性評価エキスパート(現:金融業務3級/事業性評価コース)

を紹介しましたが、本資格のほうが、試験の難易度は高く感じました。

この資格は、一般事業法人、特に中堅・中小企業における財務活動およびこれらの企業に対する財務相談に必要とされる企業財務の知識と問題解決の技能を問う試験になります。

企業価値向上という究極の経営目標を達成するために必要な知識やノウハウを検証する資格です。

単なる財務分析や財務諸表の見方に留まらない、企業財務の本質に迫る判断力の養成を図るものとなっています。

CBT(Computer-Based Testing:コンピュータ試験)方式により実施しているため、年中、好きな時に受験できるのが特徴です。

一般社団法人日本CFO協会との共催で実施しているため、本試験の合格者が、所定の手続きのもと、一般社団法人日本CFO協会に入会すると、「プロフェッショナルCFO資格」の認定を受けることができます。

試験の範囲は下記の4項目です。

1. 財務理論に関する基礎知識(企業財務の最新動向、キャッシュフロー経営、リスク・リターンと資本コストほか)
2. 経営計画と財務マネジメント(企業価値評価、財務上の課題認識と解決手法ほか)
3. 企業価値評価と経営への応用(経営計画、リスク管理、企業の成長と戦略的経営計画実施までのプロセスほか)
4. 財務面での課題解決手法とその応用(資本構成の最適化、不要投融資の処分、事業ポートフォリオの最適化、固定資産の流動化ほか)

試験そのものは、四答択一式が25問、事例問題が3問(各事例とも3問程度、計算問題含む)で実施されます。

試験時間は100分、合格点は100点満点の70点です。

合格者には、「企業価値向上のための財務戦略エキスパート」の認定証が発行されます。

資格の難易度(客観的)

では、この資格の難易度を見ていきたいと思います。

一般的に、資格というものは、その人の経験や背景によって、難易度が異なってきます。

法律関連の仕事をしている人は法律系の資格はとっつきやすいですし、IT関連の仕事をしている人はIT系の資格は容易に感じられることでしょう。

しかし、その人にとって、新規分野の資格だと、入門資格でも、かなりの難易度に感じられることでしょう。

そこで、私は、資格取得の難易度を、次の5段階に分けて評価することにしました。

【S】超難関資格
資格を取得するまでに、3〜5年程度の期間を要するもの

弁護士、公認会計士、その他サムライ資格など

【A】難関資格
資格を取得するまでに、1年程度の期間を要するもの

英検1級、簿記1級、XX1級など

【B】中堅資格
資格を取得するまでに、6ヶ月程度の期間を要するもの

英検2級、簿記2級、XX2級など

【C】入門資格
資格を取得するまでに、3ヶ月程度の期間を要するもの

英検3級、簿記3級、XX3級など

【D】簡易資格
資格を取得するまでに、数週間程度の期間を要するもの

XX4級、その他在宅受験資格など

この基準に従うと、プロフェッショナルCFO資格の難易度は【B】中堅資格に属しているのではないかと感じました。

実際、金融財政事情研究会も、この資格を「金融業務2級」という位置づけにしています。

財務関連の仕事をしている人にとっては、平易かもしれませんが、財務を全く知らない人だと、用語の理解も含めて、半年程度は覚悟しておいたほうがいいかもしれません。

私の体験談(主観的)

私はこの試験を2017年7月に受験しました。

結果は、100点満点中、83点での合格でした。

試験の準備は、きんざいの出版している、下記の問題集を使用しました。(2020年版に更新しました。)

勉強に使ったのは、この1冊のみで、その他の書籍は一切使用していません。準備期間は、1日に2〜3時間で3週間程度でした。

私の場合、本資格取得前に、類似の資格である1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得していたため、準備期間は短めで済んだのだと思います。

他の金融業務能力検定試験と同様、出題される問題も、上記の問題集をきちんと理解していれば対応できるものばかりでした。

ただ、計算問題が意外に多かったので、計算問題だけは100%理解した状態で受験しないと厳しいと思いました。

本番の試験では、計算問題の数値は問題集とは異なるものになっていたので、きちんと理解していないと試験中にはまることになると思います。

私も少し焦りました。

きちんと、計算問題について、紙に書いて答を導き出せるようになれば、合格は近いものと思います。

私は、この資格が、金融業務能力検定試験としての最終ゴールだと考えていました。

私が他に受験した金融業務能力検定試験は次の3つになります。

本資格も含めて、試験形式はどれも似たような感じでしたが、内容には差がありました。

金融業務3級/事業性評価コースは、経営的な出題が多く、中小企業診断士や販売士の易化バージョンのようでした。

金融業務3級/iDeCoコースは、金融経済的な出題が多く、ファイナンシャルプランナー試験の金融分野に近いと思いました。

金融業務2級/事業承継・M&Aコースは、相続に関する出題が多く、ファイナンシャルプランナー試験の相続分野に近いと思いました。

いずれにしても、金融業務を語る上では、必須の知識なのかもしれません。幅広く押さえておく必要があるのだと思います。

あと、余談になりますが、プロフェッショナルCFO資格の認定を受けると、セミナー紹介のメールが頻繁に送られてきます。

このような書籍も送付されてきます。

これは合格して登録すると手に入るものですので、今、ここで購入する必要は全くありません。

しかし、情報の少ないプロフェッショナルCFO資格の骨格を捉えることはできると思います。

協会自体の活動自体も結構盛んなようです。

この領域に興味のある人であれば、本資格の取得により、ステップアップしてみるのも、よいのではないでしょうか。

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Posted by かずきび