自動車の任意保険を個人名義から法人名義に引き継ぎ、節税・節約する方法とは?
私は、個人事業主としてコンサルティング業を経営していましたが、昨年、法人成りをしました。
私の自宅は、とても田舎にありますので、私と妻、それぞれが自動車を所有していました。
つまり、一家として2台の自動車を所有していたわけです。(私の自動車は軽自動車でしたが。)
妻の自動車は家族でのお出かけ用などに使っていて、私の自動車は仕事に行く時に使っていました。
そんな中、仕事で使う自動車であるならば、法人所有の自動車にして、何かメリットはないものか考えるようになりました。
その結果、法人所有の自動車に名義を変更することができましたので、今回はその体験談と、よかった点について、紹介したいと思います。
個人名義から法人名義へ
個人事業主が法人成りした場合、自動車の名義を法人に変更することはよくあるケースです。
しかし、新規で法人契約の自動車保険に加入すると、6等級からスタートしてしまい、保険料が一気に高くなってしまいます。
ひとり会社やオーナー企業の場合、会社の財布と社長の財布は一体であることが多いです。
自動車の名義が変わっただけで、保険料がべらぼうに高くなるのは辛いですよね。
しかし、次のような裏ワザがあるのです。
「自動車保険の等級は、ある条件を満たせば、個人から法人に引き継ぐことが可能」
これは便利な裏ワザです。
細かく見ていくことにしましょう。
自動車保険の等級を引き継ぐ条件
オーナー社長が個人名義で自動車を持っていました。
会社に利益がでてきたら、自動車を経費にしようと考え、会社がオーナー社長から自動車を買い取ります。
しかし、これだと、自動車保険の名義を法人に変えたとしても、等級を引き継ぐことができません。
等級を引き継ぐためには、保険会社の定める条件をクリアする必要があるのです。
保険会社によって差はありますが、概ね次の3つが前提条件となることが多いです。
①法人成りをしていた時点で自動車を所有しており、自動車保険に加入している
②個人事業と法人事業の事業内容が同じである
③等級の引き継ぎが可能なのは、法人成りしたタイミングである
まず、①の条件ですが、これは当然ですよね。
法人成りをして自動車をはじめて使い始めるのであれば、これは新規の保険適用となって当然です。
次に②の条件です。
保険会社は、事故が起きる可能性を考えて、等級の引き継ぎができるかどうかを考えます。
個人名義の自動車を、新規法人でいきなり使い始めるというケースでは、用途が異なるので、普通はリスクが異なりますよね。
こういった場合、等級の引き継ぎはできません。
しかし、もともと、個人事業主で自動車を使っており、かつ法人成りをしても、同じ仕事をしているのであれば、保険会社として、リスクは変わらないと判断することができ、等級の引き継ぎが可能となるわけです。
そして、一番、重要なのは、③の条件かもしれません。
”法人成りをしたタイミングでしか、等級の引き継ぎはできない”
覚えておきましょう。(これは知らなければ損をする代表的な例でしょう。)
保険会社にもよりますが、法人設立後、半年以内くらいであれば、まだ大丈夫だと思います。
しかし、決算期をまたいでしまうと、等級の引き継ぎは難しくなるでしょう。
自動車を法人所有とすることのメリット
次に、法人で自動車を保有するメリットについて、見ていきたいと思います。
①ガソリン代・車検代の経費化
②任意保険料の経費化
③車両代金(減価償却)の経費化
まず、①ですが、ガソリン代や車検費用、バッテリー交換などの維持費は、全額経費となります。
もちろん、社用車なので、事業で使っていることが大前提ですが。
これは、個人事業主でも同様です。
次に②です。
これは高額ですし、大きいですね。
個人事業主は、任意保険料は経費計上できません。
たとえ、事業で使っていたとしても、車の持ち主は個人ですから、任意保険の被保険者も個人になってしまいます。
法人名義であれば、当たり前ですが、法人の経費とすることができます。
③ですが、これも、経費となります。
一般的に、新車の自動車は、自動車の購入代金を6年に分けて、経費化していくことになります。(自動車の減価償却費)
まとめ
あなたが、法人成りをしている場合、自動車を法人名義にすることのメリットは大きいです。
私の場合、自分の自動車については、もともと仕事にしか使っていなかったので、迷うことなく、法人名義に変更しました。
自動車に関するさまざまなことが経費化できています。(節税)
自動車保険の等級も引き継ぐことができ、割引率も継続しています。(節約)
法人成りをした後は、いろいろと準備することが多いです。
自動車に関しても、忘れずに手続きすることを覚えておきましょう。