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火事が発生したときのお金の話!日本特有の失火責任法の仕組みとは?

2016年3月15日不動産投資

いつ発生するか分からない火事。

こわいですよね。

もし、あなたの隣の家が火事になったとしたら…。

そして、もらい火で、あなたの家が被害を受けたら…。

お金の話がどうなるのか、すぐにイメージわきますでしょうか?

あるいは、あなた自身が火事を起こしたら…。

誰にどのように賠償金を支払えばいいのか、分かりますでしょうか?

今回は、火事になったときに慌てることのないように、いくつか例を挙げて説明していきたいと思います。

キーワードは

「自分のモノは自分で守ろう!」

です。

失火責任法とは

日本で火事が起きた場合、まず押さえておきたい法律があります。

それは「失火責任法」です。

失火責任法は、他人の家から火が出て、自宅が燃えた(あるいは逆に相手の家を燃やした)場合に適用される法律です。

原則として、故意(わざと)、過失(不注意)があり、他人に損害を与えた場合には損害賠償する義務があります。

つまり、不注意で失火し、周辺の家屋を焼失させてしまった場合、民法の原則によると、近隣への損害賠償は発生することになります。

しかし、日本には日本独特の特別な事情があります。

日本は狭い島国です。

”狭い土地に木造の家屋が密集しており、火災が発生すると広がりやすい”

という特徴があります。

「自宅を失った上に、延焼させた人に損害賠償責任を負わせるのは、金額的に厳しい」

といった事情から、重過失ではない限り、賠償責任を負わせないことにしました。

これが失火責任法です。

簡単に言うと、

「火災の原因が重過失でない限り、隣家から損害賠償に問われることはない。」

という法律です。

持ち家で火事になった場合

例を挙げて、説明します。

Aさんの持ち家が火事になったとしましょう。

火事を起こした人をAさん、火事に巻き込まれた隣の家の人をBさんとします。

Bさんの立場からすると、何も悪いことはしていないので、たまったものではありません。

怒りの矛先は、まずAさんになるでしょう。

しかし、失火責任法により、軽過失の場合、Bさんは、Aさんに損害賠償を請求することはできません。

このため、Bさんの燃えてしまった家の復旧費用は、Bさん自身の火災保険でカバーすることになります。(きちんと火災保険に入っておきましょう。)

Aさんの立場ではどうでしょう。

失火責任法により、軽過失の場合、Aさんは、Bさんから損害賠償責任は問われません。

しかし、Aさんの家は燃えてなくなっています。

この場合、Aさんの家の復旧費用は、Aさんの火災保険でカバーすることになります。(きちんと火災保険に入っておきましょう)

つまり、AさんもBさんも、自分自身の火災保険でカバーすることになるのです。

賃貸で火事になった場合

賃貸に住んでいる場合は、もう少し複雑です。

Aさんの住んでいる賃貸が火事になったとしましょう。

火事を起こした人をAさん、火事に巻き込まれた隣の家の人をBさん、AさんとBさんの賃貸物件のオーナー(大家さん)をCさんとします。

先ほどと同様、Bさんの立場からすると、何も悪いことはしていないので、怒りの矛先は、Aさんになるところです。

しかし、失火責任法により、Aさんが軽過失の場合、Bさんは、Aさんに損害賠償を請求することができません。

このため、Bさんの燃えてしまった家の復旧費用は、Bさん自身の火災保険でカバーすることになります。(賃貸物件でも火災保険に加入するのはこのためです。)

Aさんの立場ではどうでしょう。

失火責任法により、軽過失の場合、Aさんは、Bさんから損害賠償責任は問われません。

しかし、Aさんは、Cさんに対しては、借りた時の状態に回復するという義務を追っています。

賃貸物件そのものは、Cさんから借りているモノなので、当然ですよね。

Aさんは自分自身の火災保険を使って、Cさんから借りている家を元どおりに回復させる義務があります。

では、賃貸物件ということで、AさんやBさんが火災保険に加入していない場合、もしくは保険金が足りない場合、どうなるのでしょう。

大家であるCさんは泣き寝入りするしかないのでしょうか?

そうなったときのために、Cさんは物件を手に入れるときに、火災保険に加入しておくのです。

そうすることで、自分のポケットマネーからの持ち出しを防ぐことになります。

つまり、AさんもBさんもCさんも、何か起きた時のために、自分自身で火災保険に加入しておきましょう!ということです。

火災保険がいかに重要であるかが理解できると思います。

「自分のモノは自分で守ろう!」

このキーワードは覚えておいて損はないと思います。

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Posted by かずきび