20代の人が書いた勉強法の本を、40代の人が読んで違和感を感じる理由!
「XXの勉強法」
最近よく目にする書籍のタイトルです。
自己啓発が重要視される時代、老若男女、よく売れているのでしょう。
私もよく立ち読みします。
店頭に並んでいる人気書籍にもよく目を通しています。
ただ、個人的には、なんとなく違和感を感じるようになっています。
私の感じている、この違和感について、少し考えていきたいと思います。
20代の勉強法
私は40代です。
私が感じている違和感というのは、おそらく年代からくるものだと感じました。
勉強法の本について言えば、20代の人が書くものと40代の人が書くものは、全くの別物なのです。
20代の人が書く勉強法に関する本は、基本的にインプット中心のノウハウが多くなります。
・イメージと関連づけて効率的に覚えましょう
・問題集から手をつけて問題慣れしましょう
・出題者の意図を汲み取りましょう
これらはすべて、何らかの試験に合格するための攻略法の類になります。
受験生や資格試験を受験するときには重宝すると思います。
このため、「東大」とか「偏差値」とか「弁護士」などのキーワードをタイトルに含めると、勉強法の本の売上は倍増するのでしょう。
40代の勉強法
しかし、勉強法の本ということで、20代の人が書いた本を、40代の人が購入すると、何か違和感を感じるのではないでしょうか。
冒頭、私が感じた違和感もまさにこれです。
20代と40代とでは、求められるスキルが異なり、勉強法が根本的に異なるからです。
40代の人はインプット中心の勉強をすることは少ないと思われます。
今までの経験をベースとして、知識を組み立て、外部に共有・情報発信するスキルが必要となってくるからです。
他人が作った問題を解けるレベルでは、その人独自の付加価値を出していくのは難しいと思います。
その土俵で、若手と戦っていると、恐らく敗北は濃厚でしょう。
40代にもなると、
新聞の記事を読んで理解して終わり!
では厳しいと思います。
その記事に、自分なりの考えを加え、他人に語ることができ、仕事や打ち合わせで活用できるように、知識を知恵に変え、血肉とする必要があります。
そこには自分の思想や哲学、経験も関わってくるでしょう。
新聞やニュースを批判的に聞くことも重要です。
「本当なのだろうか?」
「経験上、これはちがうと思うなぁ。」
「こういった視点もあるのでは。」
そして、情報を発信できるようになると、おのずと頭の中が整理されてきていることに気づきます。
このため、インプットもおのずと効率的になってきます。
不思議なことに、ポイントを抑えて、物事を捉えるようになってくるのです。
記憶力だけに頼るのではなく、豊富な経験と照らし合わせることで、効率よく記憶していけるようになるのです。
アウトプットの量に比例して、インプットの質が高まってくるのです。
しかし、20代の人はアウトプットの前に、さまざまな知識や経験をしていかなければなりません。
このため、まずはインプットが優先となります。
このように、20代と40代とでは、勉強法・活用法が根本的に異なっているのです。
どちらが良いとか悪いという議論ではありません。
最近、働き方改革やマインドの問題で、若手社員と熟練社員の間に溝があると言われています。
ただ、お互いを愚痴っていても何も始まりません。
「20代の人は、40代の人の経験・思想・哲学を敬う」
逆に
「40代の人は、20代の人の情報の感受性や流行に耳を貸す」
これらが相乗効果を産みだしてこそ、良好なコミュニケーションが可能になってくるのではないでしょうか。
このような環境を維持している会社・コミュニティこそ、今後、成長してくるのではないかと思っています。