セミリタイアの定義と働き方の多様化…「逃げ場」の重要性!
「早く会社を辞めてセミリタイアをしたい」
「セミリタイアが目標なので貯金を始めました」
「私の理想のスタイルはセミリタイア生活です。」
最近、「セミリタイア」という言葉をよく目にするようになってきました。
会社を定年になる前に仕事を辞めることなのだろうというのは、なんとなく想像がつきますよね。
しかし、セミリタイアという言葉の正確な意味をご存知でしょうか?
似たような言葉に、「アーリーリタイア」とか「完全リタイア」とか「早期退職」という言葉もあります。
明確な定義はないと考えられますが、今回は、これらの言葉について見ていくことにしましょう。
アーリーリタイアと早期退職の定義
まずは、アーリーリタイアと早期退職の定義について見ていきたいと思います。
どちらも、早めに会社を辞めることのように見えますよね。
何か違いがあるのでしょうか?
まず、早期退職ですが、これは会社の早期優遇退職制度を利用して、定年前に会社を辞めることを指すことが多いようです。
早めに、少し多めの退職金をもらって、会社を辞めるケースですね。
他方、アーリーリタイアも、ほぼ同じ意味ですが、早期優遇退職制度を利用しないで、会社を辞めることを指していることが多いようです。
ようは、会社から何も恩恵を受けることなく、自分の意思・信念で退職するイメージでしょうか。
アーリーリタイア、早期退職、いずれにしても、定年前(30代から50代)で会社を辞めることが多いようです。
完全リタイアの定義
次に、完全リタイアという言葉はいかがでしょう?
完全リタイアとは、
”大きな貯金を貯めた後に会社を辞めて、一切仕事をすることなく、貯金を切り崩しながら生活をすること”
を指しています。
仮に、45歳で完全リタイアした場合、年金をもらい始める65歳までの20年間、収入が全くないことになるので、かなりの貯金が必要となります。
仕事に嫌気がした人にとって、完全リタイアは、夢のような生活に見えます。
しかし、完全リタイアに踏み出すためには、それだけの貯金が必要となるので、現実は難しい人が多いようです。
セミリタイアの定義
では、今回のテーマである「セミリタイア」とは一体どのような意味なのでしょうか?
結論から言いますと、セミリタイアという言葉に正確な定義はありません。
さまざまな人が、なんとなく使っている言葉となります。
セミリタイアとは、
”貯金を貯めて、定年退職前に会社を辞め、時間的な余裕を持ちながら軽めの仕事で収入を得る”
ようなケースに使われることが多いようです。
完全リタイアとの違いは、会社を辞めた後に、仕事をするかしないかが決め手のようです。
・完全リタイア・・・会社を辞めた後は一切仕事をしない
・セミリタイア・・・会社を辞めた後も仕事を続ける
リタイアの定義まとめ
これまで、アーリーリタイア、早期退職、完全リタイア、セミリタイアという4つの言葉について見てきました。
アーリーリタイアと早期退職は、会社を辞める時に優遇を受けているか受けていないかという違いだけで、定年前に会社を辞めることを指しています。
簡単に言うと、会社を辞めるタイミングの話をしています。
他方、完全リタイアとセミリタイアという言葉は、会社を辞めた後に、仕事をするかしないかという、退職後の生活について言及しています。
つまり、会社を辞めた後の話をしています。
このため、論理的には、次の4パターンが考えられます。
①早期退職→完全リタイア
②アーリーリタイア→完全リタイア
③早期退職→セミリタイア
④アーリーリタイア→セミリタイア
①は、若くして会社を辞めて、優遇退職金をもらい、その後は、一切働かないパターンです。
②は、若くして会社を辞めて、普通の退職金をもらい、その後は、一切働かないパターンです。
③は、若くして会社を辞めて、優遇退職金をもらい、その後は、必要最低限の生活ができるだけ仕事をするパターンです。
④は、若くして会社を辞めて、普通の退職金をもらい、その後は、必要最低限の生活ができるだけ仕事をするパターンです。
こうしてみると、①と②は完全リタイアなので、65歳に近い人はいいですが、30代や40代については、膨大な貯金が必要となってくるので、ハードルはかなり高いです。
このため、今、注目されつつあるのが、③と④のセミリタイアです。
「会社に縛られる生き方」ではなく、自由人として生きるけど、最低限の仕事は続けていくという生き方です。
少ないとは言え、仕事も続けるので、貯金も完全リタイアの場合ほど必要ではなく、やや現実的なものとなっています。
実は、私自身も、この④のパターンに属していると認識しています。(退職金はほとんどもらえませんでしたが。)
私もセミリタイアした人間です
私は、現在、フリーランスのコンサルタントとして活動を続けています。
メイン事業は、大企業向けのコンサルティング業です。
サブ事業(副業)としては、不動産投資をはじめ、手のかからない不労所得を得ています。
紆余曲折はありましたが、今では、週に3日程度の仕事をする自由な生活を楽しんでいます。
最近、会社員とフリーランスの働き方が比較されることが多くなっています。
それだけ、フリーランスの認知度が上昇してきているのでしょう。
会社員とフリーランスのどちらも経験した人、つまりフリーランスとして活動して、一度でも成功したことのある人が比較することが多いため、
「フリーランスは自由でいいよ」
という結論になることが多いです。
私自身もセミリタイアしたことに後悔はしていません。
フリーランス生活のほうが、自分には合っていると思っています。
しかし、あなたにセミリタイアを勧めているわけではありません。
セミリタイアには、収入が安定しない、老後が不安などのリスクがつきまといます。
私のようなコンサルティング業では、たまたま成立しやすいのかもしれませんが、すべての業種の人が可能なものではありません。
私も1ヶ月2ヶ月といったスパンでセミリタイアを決めたわけではなく、セミリタイアの準備に20年近くの時間を費やしています。
ただ、会社員の人でも
「セミリタイアという生き方もあるんだ」
ということを知っておくことは、必要なのではないかと考えています。
定年退職するまで今の会社を辞めることはできない…
と力を入れていると、ストレスもたまるし、辛いときもあるでしょう。
セミリタイアという選択肢もあるんだという気持ちの余裕(逃げ道?)を持っておくことで、精神的に楽になり、仕事の幅も広がっていくかもしれませんよ。