人工知能(AI)を導入したい会社が最初に陥りやすい3つのポイント!
私は、さまざまな会社で、人工知能(AI)のプロジェクト立ち上げを支援させていただいてきました。
もちろん、現在も進行形です。
人工知能を導入したい会社に対する、最初のフェーズですね。
あまり知られてませんが、この段階での検討…
むちゃくちゃ重要なんです。
実は、かなり多くの会社から、同じような質問を繰り返し受けます。
そこで今回は、人工知能の企画段階で陥りやすいポイントを3つほど紹介したいと思います。
①目的を明確にする!
当たり前の話に聞こえますが、ほとんどの会社は、この目的があいまいなケースが多いです。
「なんとなく世間で流行っているので、乗り遅れないように、人工知能の導入を考えてみたい…」
何回、このフレーズを聞いたことか…。
「何のために人工知能を必要としているのか?(目的)」
この問いに即答できない場合は、もっと企画構想の検討を深めてもらったほうがいいと思います。
この検討は、経験がないと難しいケースも多いです。
そこで、我々のような外部の専門のコンサルタントに頼るケースが多いのです。
最低限、
「人工知能ではなく、普通のシステムでもよかった…」
ということのないようにしていきます。
自分たちだけで考えるコツをひとつだけ。
まずは、人工知能の特徴を把握・理解した上で、
「そもそも人工知能を使わなくても、この目的は達成できるのではないか?」
と自問自答を繰り返すことが重要です。
②将来の業務プロセスを明確にする!
このステップも当たり前の話に聞こえますが、ほとんどの会社では、不十分なケースが多いです。
先ほど、私は
「人工知能を導入する目的が重要!」
だと述べました。
次に重要なのは、
「人工知能を、誰がどのタイミングでどのように使うか?」
ということです。
具体的に言えば、将来の業務プロセスフローを作成することです。
・人工知能を使って完全自動化を目指し、人間は一切、その業務に関わらないようにする場合
と
・人工知能を使って出力した結果を、最終的に人がチェックする場合
とでは、人工知能の要件や求める精度が全然異なってきます。
運用保守・チューニングにどのくらいの工数をかけるのかも重要な観点です。
まずは、人工知能を使った業務プロセスのイメージを深めていきましょう。
③データを整備する!
①で目的、②で業務プロセスを明確にした後、もうひとつすべきことがあります。
それは
「③必要なデータを揃えること」
です。
どんなデータをインプットすると、目的を達成できそうなのか、よく考えて、仮説を立てる必要があります。
実際、企画の段階というよりも、この次のフェーズでは、たいていの場合、
PoC(Proof of Concept)
と呼ばれる、トライアル検証(数値や精度の検証)を行うことになります。
しかし、
「どんなデータがあれば、目的を達成できそうなのか?」
企画の段階で仮説を立てておくことは非常に重要です。
というのも、そのデータを集めたり、加工する場合、莫大な時間を要することが多いです。
これにより、プロジェクト全体の進め方や、最終的なサービス・品質・コストが変わってくるためです。
いくら人工知能といえども、データの整備が不十分だと、いい学習結果を得ることはできません。
まとめ
以上、人工知能を導入したい会社が最初の段階で考えることは下記3つです。
①目的を明確にする!
②将来の業務プロセスを明確にする!
③データを整備する!
この後のフェーズである、PoCと呼ばれるトライアルフェーズやシステム構築フェーズでも陥りやすいポイントはたくさんあります。
ただ、上記3点は、すべてのフェーズの土台となります。
「何のために人工知能が必要なのか?」
導入を考えている会社の経営層の方々は、今一度、自問自答してみてはいかがでしょうか?