休眠預金(睡眠貯金)の制度が変わる!ほったらかしの口座はどうなる?
休眠預金。
お金の話には興味がなくても、最近、この言葉をよく聞くようになったと思いませんか?
休眠口座と呼ぶこともあります。
勘のいい人は、漢字だけでも、なんとなく意味は推測できますよね。
実は、この休眠口座、2019年1月から、新しい制度が始まっているのです。
今回は、この休眠預金制度について、概要をお伝えしていきたいと思います。
休眠預金とは?
あなたは、銀行口座をいくつ持っていますか?
私は10個くらい持っています。
といっても、お金が余っているわけでも、使い分けしているわけでもありません。
昔、アルバイトをしていた頃の振込先だったとか、引っ越し前に使っていたとか、理由はさまざまですが、全く使っていない口座があるのです。
残高数十円とか、解約したくても、銀行に行って手続きをするもの面倒だし…。
私と同じようなケースの人は多いのではないでしょうか。
このような使っていない(厳密には10年以上にわたり放置された)預金のことを休眠預金といいます。
この休眠預金、毎年数百億円にもなっていることをご存知でしょうか。
引っ越しや転職、死亡…など、理由はさまざまですが、なんともったいないお金なんでしょう。
そこで、でてきたのが、次に紹介する「休眠預金制度」です。
休眠預金制度とは?
2019年1月から、休眠預金制度が始まります。
休眠預金制度とは、滞留する休眠預金を有効活用するため、NPO団体などに活動資金として休眠預金を渡し、社会貢献に活かしてもらおうという制度です。
国が民間(銀行)のお金を活用する、結構珍しい事例かもしれません。
えっ?
私たちの休眠預金が、国に使われてなくなってしまうの?
不安になった人もいるでしょう。
しかし、そういう制度ではありません。
あなたの休眠預金は没収されることはなく、金融機関に申請すれば、いつでも払い戻してもらうことが可能です。
ホッ。じゃ、今まで通りでいいや。
いやいや、そんな簡単な話ではないんです。
休眠預金を放置しておくと、あなたにとって、よくないことが起きるかもしれないのです。
休眠預金の放置リスクを3つ挙げます。
リスク①睡眠貯金
休眠預金に対して、「睡眠貯金」という言葉もあります。
休眠預金は、一般的な銀行の口座を指していますが、睡眠貯金は昔の郵便貯金を指しています。
現在は、ゆうちょ銀行になっているので、一般的な銀行と同じ扱いですが、昔の郵便貯金だけは少し事情が異なっています。
具体的には、郵政民営化前の2007年9月末までに預けられた郵便貯金(定期性のあるもの)のことを指しています。
10年以上手付かずの郵便貯金は4500億円もあるそうです。
これらについては、満期から20年2ヶ月を過ぎてしまうと、払い戻しの権利がなくなってしまいます。
もちろん、対象者には、権利がなくなりますよという通知が自宅に届くはずですが、引っ越し等で住所が変わっていたらどうしようもありません。
定期貯金や定額貯金をしていたことがある等、心当たりのある人は郵便局に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
リスク②口座管理手数料
休眠預金を放置していると困ることの2つ目として、口座管理手数料をとられる可能性があるという点を挙げることができます。
例えば、りそな銀行では、残高1万円未満で、2年以上使っていない場合、年間1200円の手数料が差し引かれることになります。
たとえ、使っていない口座とはいえ、あなたの大切なお金が、知らない間に手数料を差し引かれ、最終的に0になるのは、気持ちのいいものではありません。(残高が0になると強制解約されるようです。)
他の銀行も、少しずつ、このようなルールになっていくものと思われます。
リスク③相続
普段、考えることはあまりないかもしれませんが、相続のときに、休眠口座があるとややこしいことになります。
あなたが亡くなった時、あなたの財産を計算するため、銀行口座などをリストアップします。
使っているか使っていないか分からないような口座がたくさんあると、計算が大変ですし、計算後に、通帳が発見されたりしたら、また計算をやり直ししなければなりません。
相続人全員のハンコも押しなおすことになります。
周囲の人に迷惑をかけないためにも、使っていない口座は、元気なうちに、整理しておくことが望ましいです。
まとめ
休眠預金と睡眠貯金。
これまでに見てきたように、放置していても、あなたにとっていいことはほとんどありません。
思い立った時がチャンスです。
まずは、あなたが所有している通帳やカードをすべて集めてみてください。
家族で一緒に整理するのもよいでしょう。
銀行口座をすっきりさせることで、シンプルで分かりやすい生活にしていきませんか?