基準金利と適用金利のちがいって何?複雑化する住宅ローン!
住宅ローン金利が史上最低水準を続けています。
・マイホームを買って新規で借り入れようとしている人
・既に住宅ローンを返済していて借り換えようとしている人
にとっては、絶好の機会となっています。
しかし、いざ住宅ローンのことを調べ始めようとしてみると…
基準金利?
適用金利?
店頭金利?
優遇金利?
ややこしくて、よく分かりませんよね?
そこで今回は、住宅ローンに関係しそうな金利を簡単に整理・紹介していきたいと思います。
よくある勘違い
住宅ローンには、固定金利と変動金利の2種類があることはご存知だと思います。
・固定金利は、借りている期間中、ずっと金利が変わらないもの
・変動金利は、市場に合わせて金利が変わっていくもの
を指しています。
一般的に、
・景気が悪く、今後金利が上昇するしかないような低金利のタイミングでは固定金利
・景気が良く、まだ金利が下がりそうな高金利のタイミングでは変動金利
が有利だと言われています。
変動金利で借りる人と固定金利で借りる人の割合はだいたい半々だと言われています。
しかし、最近は、低金利の魅力から、変動金利のほうが若干人気があるようです。
ここまでは、わりと簡単に理解できますよね?
次に、変動金利を借りている人によくある誤解を紹介します。
「金利が今後下がっていけば、自分の住宅ローン金利も下がっていくので、金利はどんどん下がって欲しい!」
と考えている人が非常に多いのです。
実際、そう簡単な話でもないのです。
まず2つの金利を理解しよう!
住宅ローン金利の仕組みを複雑にしているのは、異なる2種類の金利が存在していることが原因だと言われています。
ひとつが「基準金利」で、もうひとつが「適用金利」です。
基準金利は、各金融機関が自由に決めることができる金利のことを言います。
これは、さまざまな経済状況の変化に伴い変動するものです。
住宅ローンの定価といってもよいでしょう。
この基準金利から、一定の金利を引き下げたものが「適用金利」です。
定価ではなく、実売価格・セール価格といってもよいでしょう。
我々が安いと言っているのは、この「適用金利」のことを指しています。
基準金利はリーマンッショック以降、ほとんど変化はありません。
つまり、基準金利から金利の割引である優遇金利が拡大しているので、結果として、適用金利が安くなっているわけです。
ここで、重要なのは、優遇金利は契約時に決定してしまうので、それ以降変わることはないということです。
基準金利はほとんど変動しませんので、変動金利であったとしても、実際に支払う金額が減ることは、ほとんどないのです。
金利の具体例
2009年頃、ある銀行で住宅ローンを組んだ場合、基準金利は2.5%、適用金利は1.5%でした。
つまり、この差である優遇金利は1.0%でした。
しかし、2019年になると、同じ住宅ローンを組んだ場合、基準金利は2.5%、適用金利は0.7%になっています。
つまり、優遇金利は1.8%にまで拡大しています。
借り手にとっては、非常においしい状況になってきているのです。
2009年頃に住宅ローンを借りた人は、優遇金利が変わることはありませんので、適用金利も1.5%のままです。
住宅ローンの借り換えをしない限り、0.7%の金利の恩恵を受けることはできないのです。
このため、多少は面倒でも、借り換えを検討することは重要なのです。
その他の金利
基準金利は、店頭表示金利、店頭金利、店頭利率などと呼ばれることもあります。
もう一度だけ言いますね。
基準金利は住宅ローンの定価です。
基準金利で住宅ローンが提供されることはありません。
金利を比較するときには、適用金利に注目していただければと思います。
適用金利は、借り入れ金利、引き下げ後金利などと呼ばれることもあります。
呼び方はさまざまで、統一されているわけではありません。
しかし、住宅ローンには、割引前の定価(基準金利)と、割引後の実売価格・セール価格(適用金利)の2種類があると理解しておけば、応用はできると思います。
現在は、歴史的な低金利状況となっています。
借り換えメリットのある人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?