ディープラーニング検定(G検定)の難易度と資格取得体験記
今回は、比較的、新しい試験である「ディープラーニング検定(G検定)」を紹介したいと思います。
私はフリーランスのコンサルタントを続けているため、意識的に、新しい技術には触れるように心がけています。
ディープラーニング検定(G検定)への挑戦も、その活動の一環でした。
このディープラーニング検定(G検定)、本ブログのタイトルである「週3日…」とは、あまり関係ないように見えます。
しかし、私の中では、自身のスキルを向上させることは、コンサルティング単価に、直接、跳ね返ってくるものと認識していますので、敢えて、本ブログで扱うことにしました。
ディープラーニング検定(G検定)とは、一言で言うと、今はやりのAI(人工知能)に関する基礎知識を証明する試験です。
コンサルティングという業種に限らず、AI(人工知能)はあらゆる業種に関係してきますので、この資格は、かなり将来性のある資格ではないかと思っています。
資格の概要
ディープラーニング検定(G検定)のGとはゼネラリストのことを指しています。
AI(人工知能)のロジックを研究したり、プログラムを作ったりする人は、ディープラーニング検定(E資格)という別の試験に挑戦してもらえればと思います。
今回、私が受験したG検定は、ディープラーニングに関する知識を有し、事業に活用する人材(ゼネラリスト)の育成を目指すものになります。
試験の範囲は、下記の8分野になります。
1)人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
2)人工知能をめぐる動向
3)人工知能分野の問題
4)機械学習の具体的手法
5)ディープラーニングの概要
6)ディープラーニングの手法
7)ディープラーニングの研究分野
8)ディープラーニングの応用に向けて
資格の名称が「ディープラーニング」となっていますが、内容的には「人工知能(AI)概論」としたほうが、認知されやすいと思いました。
さて、この資格は年に3回ほど、不定期に開催されていますが、試験は自宅で受験することになります。
ただし、24時間いつでも受験できるのではなく、年に3回、決められた日程・時間で一斉に受験することになります。
私は、集中するため、ネットカフェのパソコンで受験しました。
試験そのものは、選択式で226問が出題されます。(230問前後で考えておけばいいと思います。)
試験時間は120分、合格点は不明です。
合格率は50〜60%ということで平易な感じを受けます。
しかし、受験生のレベルは、専門性が相当高いと思われるので、数字だけで簡単な試験だとは言い切れないと思います。
なお、この分野は日進月歩する技術であることから、本資格は、検定・実施年毎に実施年号を付与するとのことです。
受験料は12000円と、ネット試験にしては、少し高めでしょうかね…。
資格の難易度(客観的)
では、この資格の難易度を見ていきたいと思います。
一般的に、資格というものは、その人の経験や背景によって、難易度が異なってきます。
法律関連の仕事をしている人は法律系の資格はとっつきやすいですし、IT関連の仕事をしている人はIT系の資格は容易に感じられることでしょう。
しかし、その人にとって、新規分野の資格だと、入門資格でも、かなりの難易度に感じられることでしょう。
そこで、私は、資格取得の難易度を、次の5段階に分けて評価することにしました。
【S】超難関資格
資格を取得するまでに、3~5年程度の期間を要するもの
弁護士、公認会計士、その他サムライ資格など
【A】難関資格
資格を取得するまでに、1年程度の期間を要するもの
英検1級、簿記1級、XX1級など
【B】中堅資格
資格を取得するまでに、6ヶ月程度の期間を要するもの
英検2級、簿記2級、XX2級など
【C】入門資格
資格を取得するまでに、3ヶ月程度の期間を要するもの
英検3級、簿記3級、XX3級など
【D】簡易資格
資格を取得するまでに、数週間程度の期間を要するもの
XX4級、その他在宅受験資格など
この基準に従うと、ディープラーニング検定(G検定)の難易度は【B】中堅資格に属しているのではないかと感じました。
研究者であればともかく、普通の会社員であれば、ニューラルネットや微分、最適化問題などの技術がとても難しく感じられるかもしれません。
本資格、および本分野はまだ発展途上のため、今後、難易度は急上昇する可能性がありますので、留意いただければと思います。
私の体験談(主観的)
私は、2018年11月に、この試験を受けました。
同じ時期に流行りの資格を2つ受験しました。
点数はわかりませんが、結果は、無事合格することができました。
自分の感覚では8割程度は正解しているような感じでした。
受験者2680名に対して、1740名が合格したという点だけ通知がありました。
受験後の第一印象は、
「時間が足りない試験だなぁ…」
ということでしょうか。
学生時代、ニューラルネットワークや最適化の研究をしていたので、試験勉強については、次の1冊だけしか使っていません。
日本ディープラーニング協会の公式テキストになります。
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ゼネラリストということで、人工知能に関することが体系的にまとめられています。
試験を受けない人でもこの本は読んでおいたほうがいいと思います。
準備期間は、1日2~3時間で2週間程度でした。
私の場合、もともと基礎知識があったので、楽に取り組めましたが、初学者の人は、人工知能の簡単な本を読み漁るのがいいと思います。
私のように基礎知識があっても、試験時間は厳しいものがありました。
120分で226問なので、1問あたり30秒くらいで解いていかないといけないのです。
自宅受験なので、本で調べたり、ネットで調べたりすることも可能といえば可能なんですが、調べているようでは、確実に時間が足りなくなると思います。
ある程度基礎を固め、即答できる問題が3分の1くらいはないと合格は厳しいのではないでしょうか。
私もすべての試験問題を解き終わった時は、残り時間3分でした。
上記テキストを完璧にこなしても分からない問題が2割くらいありましたが、基礎があれば合格できる試験だと思います。
試験が終わった時点で、合否はわかりません。
モヤモヤしたまま、1週間くらい合格発表を待つことになります。
1週間程度でメールで合否通知メールがやってきます。
「AIが人の仕事を奪う」
とか
「囲碁はAIの時代だ」
とか、話題レベルでとどまるのではなく、ディープラーニングの本質を理解し、その上で、AIの良し悪しを判断できるようになるのは、すごく重要なことだと思います。
その点で、この試験は、とても効果的なのではないでしょうか。
人工知能に関する資格は、今のところ、この試験しか存在しないように見えます。
今後は、この資格で体系的に身につけた知識を、実業務の中で活かしていきたいと思います。