データサイエンス数学ストラテジスト(中級)の難易度と資格取得体験記
私はフリーランスのコンサルタントです。
クライアント先の企業でIT関連のコンサルティングをさせてもらっています。
その中で、最近、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞かない日はなくなってきました。
DXという言葉は、さまざまな人がさまざまな解釈で使っているように見えます。
「DXの意味分かってる?」
という感じのおじさんにもよく遭遇しますが、企業にとって、デジタル化が重要であることは確かです。
その根底をなすのが、データ駆動型社会であり、データサイエンスの必要性は日に日に高まってきています。
そこで今回は、企業が求めるデジタルスキル資格の新しいものとして、
「データサイエンス数学ストラテジスト」
という資格・および私の体験記を紹介したいと思います。
資格の概要
データサイエンス数学ストラテジスト試験は、IBT(Internet-Based Testing)方式により実施しています。
いつでも受験できる点については、CBT(Computer-Based Testing)方式と同様ですが、IBT方式では、どこかの会場を選択することなく、自宅で受験できる点が特徴的です。
私も深夜、自宅で受験しました。
本資格は、データサイエンスの基盤となる、基礎的な数学(確率統計・線形代数・微分積分)と実践的な数学(機械学習系・プログラミング系・ビジネス系数学)の2つを合わせて体系化した「データサイエンス数学」に関する知識と、それを活用できるコンサルティング力を兼ね備えた専門家として、一定の水準に達した方に「データサイエンス数学ストラテジスト」の称号を認定するものとなっています。
データサイエンス数学ストラテジストは、中級試験と上級試験の2つの階級が用意されています。
<データサイエンス数学ストラテジスト(中級)>
想定レベル:
データサイエンスに必要なデータサイエンス数学の基礎を理解し、業務データや市場データを数値的に解釈して、関係者と価値を共有し、ビジネス課題の解決に共有できること
問題数:
30問(5者択一式)
試験時間:
90分
合格基準:
60%以上
<データサイエンス数学ストラテジスト(上級)>
想定レベル:
データサイエンスを主とした事業戦略・施策に関わるデータサイエンス数学の一定の知識を活用し、戦略・施策の実現方法を検討および提案できること
問題数:
40問(5者択一式)
試験時間:
120分
合格基準:
70%以上
資格の難易度(客観的)
では、この資格の難易度を見ていきたいと思います。
一般的に、資格というものは、その人の経験や背景によって、難易度が異なってきます。
法律関連の仕事をしている人は法律系の資格はとっつきやすいですし、IT関連の仕事をしている人はIT系の資格は容易に感じられます。
しかし、その人にとって、新規分野の資格だと、入門資格でも、かなりの難易度に感じられることでしょう。
そこで、私は、資格取得の難易度を、次の5段階に分けて評価することにしました。
【S】超難関資格
※資格を取得するまでに、3〜5年程度の期間を要するもの
弁護士、公認会計士、その他サムライ資格など
【A】難関資格
※資格を取得するまでに、1年程度の期間を要するもの
英検1級、簿記1級、XX1級など
【B】中堅資格
※資格を取得するまでに、6ヶ月程度の期間を要するもの
英検2級、簿記2級、XX2級など
【C】入門資格
※資格を取得するまでに、3ヶ月程度の期間を要するもの
英検3級、簿記3級、XX3級など
【D】簡易資格
※資格を取得するまでに、数週間程度の期間を要するもの
XX4級、その他在宅受験資格など
この基準に従うと、データサイエンス数学ストラテジスト(中級)試験の難易度は【B】中堅資格に属しているのではないかと感じました。
数学やデータ分析が得意な方にとっては簡単かもしれませんが、初心者や苦手な方については、用語からして「?」なものもあります。
中学数学から高校数学くらいのレベルの問題が半分ほど出題されます。
他資格との比較でいくと、データサイエンス数学ストラテジスト(中級)試験は、ビジネス数学検定1級よりも簡単で、ビジネス数学検定2級と同じくらいかと感じました。
私の体験談(主観的)
さて、ここからは、私の受験体験記を紹介させていただきます。
まず、前提となる私のスキルレベルなんですが、おそらくあまり参考にならないと思います。
というのも、コンサルタントという仕事柄、私は実務としてデータ分析をずっとやってきているためです。
私は類似の資格として、
①数学検定1級
の3つを取得しています。(リンクは受験体験記に飛びます。)
ようは、実務上、私の専門分野になります。
このため、本来は上級資格を受験する予定でした。
ただ、まだ新しい資格で、どういった形式かも不明だったため、とりあえず、中級資格を受験してみることにしたのです。
そこで、私は2021年11月にこの試験を受けました。
結果はなんと…
100点満点中、100点での合格でした。
実務経験があったため、参考にした問題集はなく、準備期間も0でした。
試験時間は90分なんですが、60分で完了させました。
全くの未経験者の方に対してアドバイスするならば、
・中学数学と高校数学の公式(1次関数・平方根・方程式など)を復習しておくこと
・基本的な統計(平均値・中央値・標準偏差など)を勉強しておくこと
・最新技術(AI・ディープラーニングなど)を勉強しておくこと
の3点でしょうか。
これらをしっかり準備しておけば、中級試験は突破できるのではないかと思いました。
あと、私は使用しませんでしたが、公式の問題集はこちらです。
試験は、パソコンの画面上に問題が出題され、それをノートやエクセルなどで計算して5つの選択肢から正解を選ぶ形式です。
このため、中級の場合、時間もありますし、不明な用語がでてきても、グーグルに頼ることもできます。
守秘義務があるため、試験内容の詳細は書けませんが、対策・キーワードだけいくつか羅列すると…
・統計に関するエクセル関数は確認しておく(相関係数とか標準偏差とか)
・情報処理試験の午前レベルの数値問題に慣れておく(2分木とかソートとか)
・簡単な問題と難しい問題の差が激しいので、簡単に解けそうな問題から着手する
・数学検定準2級、ビジネス数学検定2級あたりと似ているような…
・中学校の数学の問題に目を通しておく(1次関数、方程式、体積など)
自宅で受験することになると思いますが、試験完了後すぐに合否が分かります。
PDFで分析レポートが出力されるのです。
私自身、試験自体は合格を確信しましたが、最後の採点実行ボタンを押すときには、受験料7000円が少しだけ脳裏をよぎりました。
IBT試験ということで、受験料はやや高めといったところでしょうか。
さて…
この資格を取得したからといって、何かができるわけではありません。
しかし、データサイエンティストは、フリーランスとしても単価の高い職種です。
データ分析などの要員は、あちこちで募集されています。
企業にお勤めの方にとっても、どこかで接することになる可能性の高いスキルです。
私も、この合格をきっかけに、次は上級資格にチャレンジしたいと考えています。
”データサイエンス数学ストラテジスト”
時代のニーズに限りなくマッチしている資格ですので、自己啓発として、あなたもぜひ検討してみてはいかがでしょうか?