貿易実務検定C級の難易度と資格取得体験記
今回は、副業というよりも、むしろ、本業で役に立つ人が多いのではないかと思われる資格を紹介したいと思います。
海外営業など、海外との取引をする人にとって、体系的に知識を学ぶことのできる「貿易実務検定C級」という資格です。
業務をする人も限られているため、ニッチな分野だと思います。
しかし、取引のグローバル化が進んでいる以上、専門職として重要な位置付けの資格になってくるものと思われます。
資格の概要
貿易の自由化はいまや世界的な潮流となり、日本でも今後ますます貿易実務のエキスパートが求められる時代になってきています。
このような中で、現在の自分の実務能力・知識がどの程度のレベルにあるのか、客観的に確認できる手立てが必要となってきています。
そこで、でてきたのが、この「貿易実務検定」という資格になります。
試験は、レベルに応じて、次の3段階に分けられています。
A級(概ね3~4年程度の実務経験を証明するレベル)
B級(概ね1~3年程度の実務経験を証明するレベル)
C級(必要な知識を証明するレベル)
このうち、私が受験したC級については、貿易実務の配点が150点、貿易実務に関する英語の配点が50点の合計200点満点で評価されることになっています。
合格点は2科目の合計が160点(80%)になります。
資格の難易度(客観的)
では、この資格の難易度を見ていきたいと思います。
一般的に、資格というものは、その人の経験や背景によって、難易度が異なってきます。
法律関連の仕事をしている人は法律系の資格はとっつきやすいですし、IT関連の仕事をしている人はIT系の資格は容易に感じられます。
しかし、その人にとって、新規分野の資格だと、入門資格でも、かなりの難易度に感じられることでしょう。
そこで、私は、資格取得の難易度を、次の5段階に分けて評価することにしました。
【S】超難関資格(資格を取得するまでに、3〜5年程度の期間を要するもの)
弁護士、公認会計士、その他サムライ資格など
【A】難関資格(資格を取得するまでに、1年程度の期間を要するもの)
英検1級、簿記1級、XX1級など
【B】中堅資格(資格を取得するまでに、6ヶ月程度の期間を要するもの)
英検2級、簿記2級、XX2級など
【C】入門資格(資格を取得するまでに、3ヶ月程度の期間を要するもの)
英検3級、簿記3級、XX3級など
【D】簡易資格(資格を取得するまでに、数週間程度の期間を要するもの)
XX4級、その他在宅受験資格など
この基準に従うと、公式の定義より、貿易実務検定C級試験の難易度は【C】入門資格に属しているのではないかと感じました。
業務経験がない方でも、3ヶ月程度の勉強期間があれば、合格レベルには到達すると思われます。
私の体験談(主観的)
私は、この資格を2016年5月に受験しました。
会社の仕事で、たまたま貿易実務に関する業務を担当することになったので、慌てて受験を決意することになったのです。
類似の資格に「通関士」という資格もあります。
しかし、実際に通関業務をするわけではないので、私にとってはオーバースペックでした。
そして、貿易実務検定のA級とB級も、私にとっては難易度が高く感じられました。
このため、まずは、貿易実務に関して、体系的に学べるC級の受験を決意したのです。
試験の準備に使った参考書は下記になります。
この本は、C級に加えて、B級の解説も含まれているのですが、どちらにも目を通しました。
私は、貿易実務の経験がなかったため、最初は読むのにとても苦労しました。
一度、読んでも頭に入ってきませんでした。
そこで、資格の専門学校TACのホームページにある無料動画コーナーで、「通関士/貿易実務」という講義の体験版がアップされていたので、その動画をひたすら聞きました。
これが結構分かりやすく、初心者にとっては、非常に理解しやすいものでした。
しかも、聴くだけなら無料です。
2ヶ月ほど、体験動画を聞きながら、参考書を読む日々を過ごしました。
仕事と並行していたので、平日は電車の行き帰りのみ、休日に動画を聴きながら参考書を読みました。
その結果、私は
・貿易実務(150点満点中123点)
・英語(50点満点中50点)
で合格することができました。
貿易実務だけだと、ボーダーラインの8割スレスレでした。
この資格の合格のコツは英語なのかもしれません。
貿易に関する単語だけ覚えるだけで、あとは中学英語でもなんとかなりました。
この資格の良いところは、資格をとっただけでなく、実際に業務でもとても役に立つ点です。
打ち合わせ等で、貿易用語が出てきても、ビビらなくなりましたし、この分野については、英語もそれほど苦ではなくなりました。
貿易実務に関係のない人は、一生、受験する機会はないのかもしれません。
しかし、グローバル化が進んでいる時代ですので、あなたも、どこかで貿易実務に遭遇するときがやってくるかもしれません。
そのときは、このような検定があることを覚えてもらっていたら幸いです。