マイクロ法人・個人事業主の人間ドック(健康診断)は経費計上可能なのか?
あなたは、毎年、人間ドックを受けていますか?
私はもう40代後半ですし、健康にも自信があるほうでもないため、毎年、受けています。
「体は資本なので、人間ドックは定期的に受けましょう!」
と声を大にして言いたいところです。
しかし、5万円くらいする人間ドックの費用は高いですよね…。
私はフリーランスです。
家族だけの合同会社(マイクロ法人)を立ち上げて、さまざまな種類の仕事をしています。
いわゆる「オーナー会社」の社長です。
少し前までは、会社員、そして個人事業主でもありました。
しかし、紆余曲折を経て、現在はオーナー会社の社長となっています。
そんな私が、先日、人間ドックに行ってきました。
今回は、
「会社員、個人事業主、小さい法人の経営者」
のすべてを経験してきた私が、人間ドックのお金について、感じていることを、お話させていただきます。
会社員の人間ドック
会社員時代、人間ドックや定期健康診断は、年に一度の受診を義務付けられていました。
私は何度か転職を経験していますが、どの会社もそうでした。
忙しいからといって、健康診断に行かないと、その上司が怒られる仕組みになっていました。
検査結果は、すべて会社に提出する必要がありました。
しかし、費用はすべて会社の経費として処理することができました。
このため、年に一度のイベントというくらいの認識でした。
もちろん、健康診断とお金の件を絡めて考えることはありませんでした。
個人事業主の人間ドック
ある時期、私は会社員を卒業し、個人事業主となりました。
会社員時代に読んだ書籍からの情報で、私は次のような認識を持っていました。
「会社を辞めると、給与所得控除という会社員の特別控除枠はなくなる。しかし、生活の中で事業に関わるものは、ほとんど経費化できるようになる。」
このため、人間ドックも当たり前のように、経費になると信じていました。
しかし、実際は…
そうではありませんでした。
私は、40歳を過ぎてからは、毎年、人間ドックを受けています。
幸い、まだ大きな病気は見つかっておりません。
ただ、年齢も年齢なので、気を抜かずに、定期的に受診したいと考えています。
そんな頼もしい人間ドックですが、費用は本当に高いです。
オプションをつけなかったとしても、5万円くらいかかります。
ガン検査などのマーカーオプションをいろいろつけていくと、簡単に10万円くらいの出費になります。
前述しましたが、普通の会社であれば、毎年一度の人間ドックや成人病健診は義務となっていると思います。
しかし、個人事業主に関しては、人間ドックは経費にならないのです。
あくまで、体は自己管理に委ねられます。
会社で負担してくれないし、経費にもならないということで、完全に自腹を切ることになります。
このため、お金を少しでもセーブしたい人は、人間ドック費用を浮かすため、受診しない人も少なくありません。
個人事業主の人が加入する国民健康保険では、傷病手当金もありません。
病気やケガで、長期的にダウンしてしまった場合、個人事業主は、路頭に迷うことになります。
個人事業主は、健康面では、本当に無防備の状態になっています。
私自身、現在、個人事業主でもありますが、これはかなりのデメリットだと感じています。
個人事業主は、体が資本であるにもかかわらず、おかしな仕組みだと認識しています。
オーナー会社の人間ドック
では、個人事業主ではなく、小さな法人(合同会社)を立ち上げた場合はどうなるのでしょうか?
ネットや書籍で調べたら、次のように書いてあることが多いです。
「法人は、福利厚生費が認められるため、人間ドック費用も一定の条件のもとに、経費計上することができる。」
ここでいう一定の条件とは、
”従業員全員が平等に同じ検査を受診する”
など、会社として適切な対応をしているかどうかが問われています。
私の法人は、家族だけのオーナー会社です。
そこで、上記の条件は当たり前のように満たしていると思い、人間ドックを経費にしてみました。
すると、顧問税理士から次のように指摘されました。
「家族だけのオーナー会社では、人間ドックや社員旅行などの福利厚生費は認められないですよ。」
「…。」
少しショックでした。
家族だけの法人では福利厚生費は認めらないようです。
家族だけの法人だと、プライベート旅行とか、なんでもありの状況にしようと思えばできますよね。
だからオーナー会社には「福利厚生」という概念が薄いようです。
家族以外の社員を1、2名雇用すると、人間ドックや社員旅行も認められることもあるようです。
しかし、家族以外の人間を雇うとなると、それなりのリスクが伴います。
結論としては、法人成りをしても、家族だけの会社だと人間ドックの費用は経費とならないということになります。
私はもうすぐ47歳です。
人生100年時代、健康な体を維持できないと、働きたくても選択肢が絞られてきてしまいます。
このため、たとえ経費にはならなかったとしても、私は、きちんと人間ドックを受診するべきだと考えています。
ガンの検査(マーカー)などのオプションも自分の気になる箇所はつけて、ケチらないようにしています。
そして、いつの日か、
”社会的立場の弱い個人事業主やオーナー会社に対しても、健康面でのサポートが充実してくる社会”
に変化してくれることを切に願っています。