稼げる仕事と好きな仕事…働き方の黄金律とは?
あなたは今の仕事が好きですか?
好きだと言いきれる人は幸せですよね。
ただ、コロナ禍、海外情勢、少子高齢化、円安・物価高…
このように不確実性の高い現在の日本においては、
”仕事は好きではない”
と感じている人のほうが多いのではないでしょうか。
家族・子供・住宅ローンなどのために、しぶしぶ働いている人も多いと思います。
年齢も上がってくると、転職や独立など、身動きも取りにくくなりますよね。
すべての人に当てはまるというわけではありませんが、
「稼げる仕事」と「好きな仕事」は別物であるケースが多いように感じます。
今回はこのあたりの働き方について見ていきたいと思います。
会社員としての仕事
まず、会社員のケースから見ていきましょう。
ずっと同じ会社に勤めていても、組織異動を経験したことのある人は多いのではないでしょうか。
「営業部から企画部へ」「製造部から経理部へ」などです。
年齢を重ねてくると「子会社への出向」というのもよくあるケースですよね。
いずれにしても、原則として、会社の方針には従う必要があります。
会社の中のどの部門で働いても、年収はあまり変わりません。
このため、できれば、居心地のいい自分の得意領域となる部門で仕事をしたいというのが正直なところでしょう。
会社員時代、私もそうでした。
ただ、経験したことがあるというだけで得意というのは少々無理があります。
経験と知識・知恵を融合し、体系的に、自分の引き出しからアウトプットできることが重要です。
ここで重要なのは、市場ニーズに合わせて、そのスキルを活用することができるかどうかということです。
つまり、単に得意領域を極めるということではなく、市場ニーズに合わせて価値を高めることが重要なのです。
そのような市場価値を保有していれば、高い年収のもらえる会社への転職が可能となります。
市場ニーズは、あなたの好き嫌いとは関係ありません。
市場ニーズに合わせて市場価値を高めることは、あなたの好きなことだとは限りません。
ここに「稼げる仕事」と「好きな仕事」のギャップが発生する原因があるのでしょう。
例を挙げると、現代社会で、レコード製造の職人とサブスク音楽配信の職人と、どちらのプロフェッショナルに需要があるかは明らかでしょう。
”長年、人工知能を研究していて、現代社会になって、ようやくAIが脚光を浴びてきて仕事が増えた”
というようなケースはまれでしょう。
「稼げる仕事」と「好きな仕事」は、多くの場合、別物なのです。
フリーランスとしての仕事
会社員の場合、上司の命令が絶対ですので、好きな仕事ができる確率は低いです。
しかし、フリーランスになると、仕事を選択できる自由があります。
ここに、自由であるが故の葛藤があります。
好きな仕事をしたくても、それが稼げる仕事であるとは限らないのです。
前述したように、市場ニーズのある仕事でないと稼げないからです。
しかも、好き嫌いの選択は、自分の収入に直結してきます。
嫌いな仕事を断ってばかりいると、最終的に仕事がゼロになり、収入が途絶えてしまいます。
このため、フリーランスこそ、会社員以上に、稼げる仕事を意識しておかなければならないのです。
かといって、嫌いだけど稼げる仕事をずっとこなしていては、会社員時代と変わりません。
収入が安定しない分、会社員のほうが幸せなのかもしれません。
この点は、私もいろいろと考えました。
そして、次の結論に至ったのです。
働き方の黄金律
「稼げる仕事」と「好きな仕事」のどちらを優先すべきか。
私は、この2択のどちらかを選択しようとしているわけではありません。
そこで、ここにもうひとつ、視点を加えてみましょう。
3つ目の視点は「不労所得」です。
不労所得とは、労働を伴わず、仕組みを作っておくことで収益を得られることを指しています。
例としては、
・不動産投資による家賃収入
・書籍出版の印税
・WEBからの広告収入
などを挙げることができます。
冒頭からテーマにしている「稼げる仕事」や「好きな仕事」はどちらかといえば、労働収入のことを指していました。
自分の時間を切り売りしてお金を得るモデルです。
しかし、この不労所得は仕組みづくりには手間がかかりますが、その後は労働を伴いません。
このため、次にように整理することができます。
・労働収入(労働を伴う収入):稼げる仕事、好きな仕事
・資本収入(労働を伴わない収入):不労所得(不労)
このように定義すると、我々はどこを目指せばいいのでしょうか。
【前提】
・会社員の給料は変わらない
・フリーランスの場合、稼げる仕事10に対する収益は10とする
・フリーランスの場合、好きな仕事10に対する収益は6とする
・不労所得による収益は4、拡大した場合は8とする
【論拠】
仮に会社員として稼ぐために、嫌な仕事をしていた人は、次のような比率で働いているのでしょう。
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
10 | 0 | 10 |
当然のことだと思います。この比率は、好きな部門に異動すれば次のようになります。
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
0 | 10 | 10 |
収益は変わりませんので、これは幸せな働き方ですね。
では、フリーランスになって、嫌な仕事をガンガンこなしている場合はどうなるでしょう。
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
10 | 0 | 10 |
会社員時代と変わりませんね。
逆に、フリーランスで好きな仕事ばかりしていると…
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
0 | 10 | 6 |
収益が減ってしまいました。
好きな仕事が稼げる仕事だとは限りませんので、死活問題です。
好きな仕事だけをして生活するのは難しいのでしょうか。
そこで、会社員時代に、不労所得の仕組みづくりをしていたとしましょう。
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
10 | 0 | 10(労働)+4(不労)=14 |
不労所得の分だけ収入は増えました。
ただ、本業の仕事は面白くない状態です。
では、会社員で不労所得しながら好きな仕事をした場合は…
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
0 | 10 | 10(労働)+4(不労)=14 |
好きな仕事をしつつ、安定した収入も確保する。
これが、会社員としてのあるべき姿かもしれませんね。
フリーランスになり、不労所得を続けたまま、稼げる仕事と好きな仕事を組み合わせると…
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
5 | 5 | 5(労働)+3(労働)+4(不労)=12 |
稼げる仕事の比率を落とし、不労所得の仕組みを拡大させると…
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
0 | 10 | 6(労働)+8(不労)=14 |
これがフリーランスとしてのあるべき姿でしょうかね。
ちなみに、私の場合、会社員時代、不動産収入という不労所得がありましたので、次のようなイメージでした。
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
10 | 0 | 10(労働)+4(不労)=14 |
うつ病で無職になった頃は、次のような感じでした。
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
0 | 0 | 4(不労) |
フリーランスになり独立・起業し、労働時間を減らし、不労所得を拡大させると、次のようになりました。
稼げる仕事にかける時間(比率) | 好きな仕事にかける時間(比率) | 収益 |
3 | 5 | 3(労働)+3(労働)+8(不労)=14 |
個々人によって環境も異なるため、理想の比率は異なっているのでしょう。
私の場合は、現在がちょうどいい感じです。
究極の働き方の黄金率はどこにあるのでしょうか。
そして、あなたにとっての黄金律は…
一度、現実を客観視して考えてみてはいかがでしょうか。