サラリーマン究極の節税方法…プライベートカンパニーとは?
働き方改革が叫ばれる中、会社員・サラリーマンの間で、副業がブームになってきています。
15年くらい前、私も会社員を続けながら副業をしていました。
しかし、会社を裏切っているようで、どことなく後ろめたい気分でした。
当時は、副業を紹介する書籍もほとんどありませんでした。
そんな中、会社員・サラリーマンの間で、
「プライベートカンパニー」
という考え方が脚光を浴びつつあります。
結構、よく聞くようになってきた言葉ですよね。
今回はこのプライベートカンパニーを簡単に紹介していきたいと思います。
プライベートカンパニー とは
プライベートカンパニーとは、オーナーやその家族といった少数のメンバーによって会社が所有されている状況のことを指します。
サラリーマンが、会社の給料以外で収入を得る母体のことを指しています。
簡単に言えば副業のようなものです。
プライベートカンパニーは、サラリーマンを続けながらでも、設立は可能です。
一般的な話として、サラリーマンの場合、給料が増えると、それに伴って、税金や社会保険料の負担が重くなっていきます。
このため、給料が上がっても、手取額は思っていたように増えていかないのが現状です。
そこで、サラリーマンをやりながら、プライベートカンパニーを設立して、不動産投資をしたり、ネットビジネスなどの小規模な事業を立ち上げたりするのです。
すると、給与収入だけでなく、事業収入を生み出すことができ、複数の収入源を得ることが可能になります。
事業支出は、経費として計上し、所得を平準化することで、家計全体としての課税所得を引き下げる効果もあります。
まずは、利用できる控除(扶養控除、生命保険料控除)を使い切った上で、プライベートカンパニーを作って事業を立ち上げ、経費を増やすことによって、課税所得を小さくする。
その結果、手取り収入を増やしていくことが可能になってくるのです。
このように、プライベートカンパニー は、手元にお金を残していくための、究極の資産形成方法になります。
サラリーマンをしながら、プライベートカンパニーを作り、妻を従業員として雇用することや、妻を社長に据えることも可能です。
よく聞かれるのが、このプライベートカンパニーの正式名称は何なのかということです。
これは、株式会社や合同会社を設立しても構いませんし、個人事業主として取り組んでも構いません。
青色申告でも白色申告でも構いません。
本業以外に、経費を使って稼ぐ母体があれば、実態は何でもいいのです。
現実的な線として、プライベートカンパニーで行う事業については、本業の空いた時間で行う必要があります。
このため、極力、労働力を伴わないもの、例えば、不動産投資や、ネット販売などがよいでしょう。
では、プライベートカンパニーを設立するメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。
プライベートカンパニーのメリット
【1】所得税の節税効果が期待できる
個人の黒字収入を法人に移動させることで、所得を分散できます。
さらに、個人への課税は増税の方向に向かい、法人への課税は減税の方向に向かう傾向にあるため、所得税のさらなる節税が可能になります。
【2】相続税対策が期待できる
個人保有の不動産は、その持ち主が亡くなれば相続の対象になりますが、法人名義であれば法人の株式の承継となり、手続きも簡単で節税効果も大きくなります。
贈与の場合も、個人より容易となります。
【3】法人保険等に加入できる
法人保険には、払込保険料の全額もしくは半額を経費として処理できるものがあります。
さらに、海外で販売されている、高い運用益が期待できる生命保険商品に、法人名義で投資することも可能となります。
【4】必要経費が増えて節税効果が期待できる
不動産の減価償却費やローンの利息など、事業の目的に沿った経費は、必要経費として処理が可能になります。
【5】ライフプランが立てやすい
収入を一括管理でき、しかもそのプライベートカンパニーから役員報酬という形で一括して受け取るために、資産管理が簡単になります。
プライベートカンパニーのデメリット
【1】初期コストがかかる
法人に移す資金量によって、法人設立のための登記料、不動産の名義を替える際の登記費用や不動産取得税がかかります。
【2】運営コストがかかる
個人の確定申告よりも、ややこしくなりますので、公認会計士や税理士への相談が必要になり、顧問料などのコストがかかる場合があります。
プライベートカンパニーを使った節税の例
ひとつ例を挙げます。
あなたが、10万円のノートパソコンを購入することを考えましょう。
この場合、サラリーマンの収入が10万円あったとしても、購入することはできませんよね。
なぜなら、サラリーマンの収入が10万円あったとしても、税金を差し引いた手取り収入は8万円になり、2万円足りなくなるからです。(計算の都合上、税率を20%とします。)
10万円のノートパソコンを購入するためには、12万5000円、稼がないといけないのです。
そして、12万5000円を稼ぎ、10万円のノートパソコンを購入した後、財布には1円も残りません。
ここまでは、イメージわきますよね?
次に、プライベートカンパニーではどうなるのか、見ていきましょう。
プライベートカンパニーで、12万5000円の事業所得があったとしましょう。
そして、10万円のノートパソコンを購入することを考えます。
すると、この10万円は経費扱いにできるのです。
このため、税金を算出する元ネタとなる課税所得は、12万5000円から10万円を差し引いた2万5000円となります。
この2万5000円の20%が、税金の額となりますので、支払わなければならない税金は5000円となります。
サラリーマンが、ノートパソコンを購入するときは、2万5000円も支払っていた税金が、プライベートカンパニーだと5000円になるのです。
これはすごいことです。
さらに、プライベートカンパニーの例では、税金5000円を支払った後、あなたの財布には、2万円残ることになります。
この2万円が、プライベートカンパニーの可処分所得となります。
どうでしょう。
プライベートカンパニーのほうが、可処分所得を増やしやすいというイメージがわきましたか?
細かい話をすると、サラリーマンには給与所得控除、プライベートカンパニーも各種所得控除があるので、上記のように簡単な計算にはなりません。
しかし、先に課税所得を減らすことができるという点で、プライベートカンパニーのほうが、自由度が高く、節税効果も大きいことがわかると思います。
お金の流れを理解し、きちんと節税することは、経営上、避けて通れないことです。
サラリーマンについては、なにがなんでも起業する必要はありませんが、同様のマインドをもつことは重要ではないかと思っています。
可処分所得を少しでも増やすために、自分の年収から何が差し引かれていて、何がプラスに作用しているのか、把握し、工夫することで、少しでも、小遣いを増やしていきましょう。
プライベートカンパニーと私
私は会社員時代、個人の給与収入(黒字)を、プライベートカンパニー(不動産投資会社)の収支で相殺することによって節税をしていました。
確定申告を行うことで、支払った税金は還付されていましたので、プライベートカンパニーとしての機能は果たしていました。
今は、個人事業主となり、本業も副業もプライベートカンパニーとなってしまいました。
合同会社を立ち上げ、法人化もしました。
いずれにしても、会社員時代よりも、事業の自由度が高いため、きちんと節税していきたいと考えています。
プライベートカンパニーを設立し、運用を続けた結果、私がどうなったのか…
下記の記事を参考にしていただければと思います。
現在、私は起業・独立していますが、会社員時代はプライベートカンパニーを運営していました。
このプライベートカンパニー運営は、なんといっても、会社員を辞めることなく、リスクが低いことが人気の秘密になっています。
今回は、一歩進めて、私の経験を含め、あまり明らかにされていない、プライベートカンパニーの実態を紹介していきたいと思います。
プライベートカンパニーの実態
プライベートカンパニーとは、株式会社のように、法務局に登記されている正式な会社ではありません。
このため、この言葉を使っている人によって、解釈はバラバラになっています。
私の考えるプライベートカンパニーの定義は、
「会社の給料以外の収入を得るための収益源」
です。
ざっくりといえば、
「副業の器」
と言い換えることもできるでしょう。
もう少し、具体的に言いましょう。
純粋な会社員の人は「会社収入:会社外収入=100:0」です。
私のように、脱サラ・起業・独立した人は「会社収入:会社外収入=0:100」です。
プライベートカンパニーを立ち上げている会社員は「会社収入:会社外収入=80:20」くらいのイメージです。
ようは、会社員と起業・独立の間くらいの位置付けが、プライベートカンパニー運営だと考えています。
もう少し具体的に言えば、次のように捉えることもできます。
①会社員
②会社員が不動産所得を得る
③会社員が事業所得を得る
④会社員が法人を立ち上げる
⑤起業・独立する
①と⑤の間、つまり、②③④が、一般的なプライベートカンパニー運営の形態だと言えるでしょう。
順番に見ていきましょう。
会社員が不動産所得を得る場合
会社員の副業の代表的存在となってきた不動産投資。
これは、まさにそのパターンです。
会社員が投資用の不動産を購入して家賃収入を得るケースを考えます。
この場合、不動産投資が副業となり、会社以外の収入源としてのプライベートカンパニーということになります。
仮に、給与所得が500万円あったとします。(ざっくり言えば、これに税金がかかります。)
ここで、不動産投資は、家賃収入からローン利子や視察などの経費、減価償却費などを経費として計上することができます。
このため、大半の場合、不動産所得はマイナスとなります。
仮に、不動産所得がマイナス100万円になったとしましょう。
すると、給与所得500万円から、不動産所得100万円を差し引いた400万円に対して、税金がかかることになります。
この仕組みを損益通算といいます。
これは不動産投資のメリットの代表的なものとなっています。
もちろん、不動産所得は赤字ですが、月々のキャッシュフローをプラスにすることで、不動産投資を健全に運営していく必要があります。
私も、不動産投資を実践していますが、確定申告をするときに、会社員として天引きされていた税金がたくさん戻ってきて、嬉しかったのを覚えています。
この場合、会社員が不動産を購入しただけなので、会社という実態があるわけではありません。
しかし、会社以外の収益源があるという意味で、プライベートカンパニーと呼んでいるのです。
会社員が事業所得を得る場合
不動産所得と同様に、給与所得と損益通算できるのが、事業所得です。
大規模な不動産投資を行なっている場合や、継続的なしっかりとした事業を行なっている場合は、その稼ぎは、事業所得とみなすことができます。
ただ、この事業所得は、税務署になかなか認められにくいのです。
仕事の合間に稼いでいるFXやアフィリエイトなどの副業は、通常、雑所得となり、損益通算できません。
事業所得となる副業をもっているというだけで、それは立派なプライベートカンパニーになるのです。
仕組みは、不動産所得のときと同様です。
事業所得で経費を積んで赤字になると、給与所得と損益通算することで、税金が戻ってくるというものです。
もちろん、黒字であるに越したことはありません。
しかし、赤字になった場合でも恩恵があるという意味で、プライベートカンパニーは、あなたの頼もしい味方・節税マシンとなってくれることでしょう。
会社員が法人を立ち上げる場合
少しハードルはあがりますが、会社員が会社員を続けながら、法人を立ち上げるのもプライベートカンパニーの一種になります。
ハードルがあがる分、リターンもそれなりのものとなります。
最終ターゲットが起業・独立であれば、この起業プロセスは経験しておいたほうがいいと思います。
ただ、あなた自身が法人を立ち上げると、会社にもバレやすくなります。
このため、専業主婦の妻を法人の社長に据える方法も一般化しつつあります。
プライベートカンパニーとして法人を立ち上げるメリットは、経費にできる範囲が広いという点です。
一例を挙げます。
あなたが、専業主婦の妻とふたりで、賃貸マンションに住んでいるケースを考えます。
この場合、通常は、給料の手取り収入から賃貸マンションの家賃を支払うことになります。(当たり前ですよね。)
しかし、法人というプライベートカンパニーを所有していると、話はだいぶ異なってきます。
賃貸マンションを、個人ではなく法人として契約するのです。
すると、賃貸マンションが、あなたのプライベートカンパニーの社宅に変身することになります。
ここではシンプルな例として、賃貸マンションの家賃を10万円だとしましょう。
この場合、賃貸契約者である法人が、オーナーに家賃10万円を支払います。
そして、あなたは、法人に5万円、社宅家賃を支払います。
実際は、もっと少なくても大丈夫なんですが、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
すると、毎月5万円、年間60万円を、法人の経費として計上することが可能なのです。
ざっくり言えば、収入と支出が似たようなものだったとして、法人所得を年間60万円も赤字にすることが可能なのです。
しかも、その赤字は9年間繰り越しすることができます。
経費ということで、パソコンや車も、プライベートカンパニー名義で購入することもできます。
最終的に、起業・独立を考えているのであれば、会社員時代の法人立ち上げの選択肢はアリでしょう。
まとめ
会社員の究極の節税メソッドであるプライベートカンパニー。
そのあいまいな言葉の中には、
「会社員が不動産所得を得る」
「会社員が事業所得を得る」
「会社員が法人を立ち上げる」
という3つの意味合いがあることを見てきました。
もっと正確に言うと、申告の仕方で、青色とか白色というパターンもありますが、ややこしくなるので、今回は割愛しました。
働き方改革が叫ばれる中、国も、副業を推進しつつあります。
アベノミクスの金融緩和は進んでいるようですが、会社員の給料は、横ばいの状態です。
このため、個人レベルで、プライベートカンパニーのような、会社以外の収益源をもつことは自然な流れだと考えています。
税金の仕組みを正しく理解し、合法的かつ効率的なプライベートカンパニー。
興味があればぜひ!