合同会社の社長が考える、株式会社と合同会社の決定的なちがいとは?
私は、フリーランスのコンサルタントです。
もう少し正確な表現をしましょう。
私は、合同会社という法人を立ち上げて、代表社員として、コンサルタントの仕事をやっています。
合同会社?
代表社員?
何やら、あまり聞きなれない用語が出てきましたよね。
しかし、多様性が重んじられるようになってきた今の時代、
「このビジネススタイルが最強だ。」
という声もちらほら聞くようになりました。
今回は、この合同会社とは、一体何者なのか、ポイントを絞って見ていきたいと思います。
株式会社と合同会社の決定的なちがいとは?
あなたの知っている会社の種類は?
と聞かれて、まず思い浮かぶのは、株式会社だと思います。
株式会社の代表的な特徴は、所有と経営が分離していることです。
会社の持ち主(所有者)は株主、会社の経営者は取締役となっており、役割が分離されています。
小さな株式会社では、株主=取締役のこともあります。
しかし、原則として、株主は、会社にお金を差し出し、配当を受け取るだけ(出資&配当)。
取締役は、そのお金を受けて、実際に業務を遂行するという分業制になっています。
昔は、
①設備を設置する
②材料を仕入れる
③モノを製造する
④モノを販売する
という形態のビジネスがほとんどでした。
工場やお店を思い浮かべるとイメージしやすいのかもしれません。
この仕事をこなすためには、まず、設備や材料が必要になるので、最初にたくさんのお金が必要になってきます。
そこで、株主からの出資という形で、資金を集め、設備投資や材料購入をすることで、仕事をまわしていきます。
仕事がうまくいって、利益が出たら、出資してくれた人に、配当という形で利益を分けていきます。
これが、株式会社の基本形です。
しかし、最近はどうでしょうか?
私がやっているようなコンサルティングや、インターネット関連事業を想像してみてください。
設備も仕入も、ほとんど必要ありません。
これらの事業では、初期投資なしで、手ぶらでサービス・付加価値を提供し、利益を積み上げていくことができます。
株主からお金を出資してもらわなくても、事業は成り立つのです。
そうしたビジネスモデルの変化を背景に、2006年、合同会社という新しい会社の形が誕生しました。
合同会社は、株式会社のように、所有と経営が分離していません。
ここが一番ややこしいところです。
合同会社のトップは代表社員と呼ばれています。
代表社員は、自分の会社に出資をして、持ち主であると同時に、実際に経営もするプレイングオーナーなのです。
株式会社のトップである代表取締役は、原則として、会社の持ち主ではありません。
あくまで、経営をする責任者です。
経営がうまくいっていなければ、会社の持ち主である株主からツッコミを入れられることになります。
これに対して、合同会社の代表社員は、誰から干渉されることもなく、自分自身で仕事を進めることができるのです。
増えてきている合同会社
このように、合同会社は、コンサルティングやインターネット関連事業など、設備投資や仕入を伴わない、シンプルな個人事業に向いた会社の形になります。
株式会社は普通自動車、合同会社は軽自動車、によく例えられることがあります。
イメージはその通りだと思います。
しかし、この2つの会社形態のちがいは、先ほどのように、
”所有と経営が分離しているかどうか”
で決まっていることを忘れないでいただきたいと思います。
軽自動車である合同会社は、会社をつくるときにかかる費用も安いため、その数はどんどん増えてきています。
2006年には、年間3000件くらい設立されていたのが、2017年には、25000件近くも設立されています。
フリーランスとして働く人も増えてきています。
このため、合同会社の増加傾向はこの先も続いていくことになると思われます。
また、合同会社には、次のようなメリットがあることも、人気の秘密だと思われます。
このような理由から、私のように、起業して、合同会社をつくっている人は多いです。
しかし、最近は、プライベートカンパニーということで、会社員が副業・節税目的で、妻を代表社員にするなど工夫をして、合同会社を作るケースもちらほら見受けられるようになってきました。
安いとは言え、合同会社設立には、費用がかかります。
しかし、起業による効果も大きいです。
副業で不動産投資を行う場合には、格好の受け皿となるでしょう。
”プライベートカンパニー”と”合同会社”
これらのキーワードを、頭の片隅に置いておけば、いつか、あなたの秘密兵器になってくれるかもしれませんね。