不動産会社が自分自身で不動産投資をしない理由!
不動産会社って、なんとなく怖くありませんか?
何も知らない我々に、物件を強引に買わせようとしているイメージをもっていませんか?
私も不動産投資を始める前までは、似たようなイメージを持っていました。
実際、悪徳業者が存在しているのも事実です。
ただ、コンプライアンスが叫ばれる中、ほとんどが優良な不動産会社であることも事実です。
我々投資家に物件情報を持ってきてくれるのは不動産仲介会社です。
彼らが
「不動産投資をするには、良い物件ですよ。」
と言うのであれば、
「なぜ自分たちで買って不動産投資をしないのだろう?」
私はいつも疑問に感じていました。
しかし、これには、実は明確な理由があったのです。
不動産会社が不動産投資をしない理由
まず、知ってほしいのは、不動産仲介会社の中には、
”自社で物件を買っている会社”
も多数存在するということです。
しかし、長期保有と短期保有に分かれている点が、一般投資家とは異なります。
自社で優良な物件を長期保有するケースもありますが、転売するために一時的に購入することのほうが多いようです。
では、不動産会社は、なぜ、仲介や短期間の転売ばかりを行い、一般投資家のように物件を長期保有しないのでしょうか。
それは、転売のほうが不動産会社にとって資金効率がいいからなのです。
例えば、築20年で価格が5000万円の鉄筋コンクリートの物件があったとします。
利回りは10%。
立地がよければ、悪くなさそうな物件だと言えるでしょう。
この物件のキャッシュフロー(税引前利益)が年間100万円だったと仮定します。
すると、仲介手数料は
「3%+6万円+税金」
なので、約170万円となります。
一見すると、保有していれば毎年利益として100万円残る物件なので、仲介手数料として一時的に170万円を得るよりも得だと思うかもしれません。
実際、その通りの面もありますが、不動産会社が背景として抱えている事情はもう少し複雑です。
自社でこの物件を買って保有していれば、年間100万円の利益は確かに得られます。
しかし、物件からの収入のほとんどは家賃なので、100万円が毎月12分割されて入ってくることになるのです。
物件を自社保有すると、資金の回収が非常に遅くなるのです。
ビジネス的には、この時間差は決して無視できません。
反対に、物件を仲介して仲介手数料をとる場合は、決済が終わった段階で170万円が入ってきます。
不動産仲介会社の事業は、社員に払う給料や事務所費用などの固定費が必要となります。
社員一人あたりで換算すると、最低でも50万円以上くらい、毎月の売上がないと赤字になってしまいます。
仲介会社はこのようなビジネスモデルになっています。
自社保有して家賃収入を得ると言う選択肢があったとしても、毎月たくさん物件を成約させて、仲介手数料をどんどん得るほうが、安定した経営になりやすいのです。
不動産会社の事情
不動産会社は決して、自分たちが買わない物件だけを投資家に流しているわけではありません。
収益が出る良い物件があっても、物件の仕入れや顧客開拓に注力したほうが、経営が安定するという理由から、仲介業務に徹している会社が多く存在しているのです。
冒頭でも書きましたが、不動産会社には怖いイメージをもっている人も多いと思います。
しかし、信頼関係さえ構築できれば、いろいろ裏事情を教えてくれるようになります。
私も不動産会社とは良好な関係を構築しています。
彼らは悪い人たちではありません。
まずは、信頼関係の築けそうな不動産会社を見つけることが、不動産投資の成功要因と言えるのではないでしょうか。
そして、一度、信頼関係を構築することができれば、長期的なビジネスパートナーとして、あなたの協力な味方となってくれることでしょう。
ここに、不動産投資の重要成功要因があると、私は考えています。