売れてきている芸能人や有名人が自分で会社を設立する理由!
テレビで華やかに活躍する芸能人。
かっこいい人、歌のうまい人、踊りのうまい人、クイズの強い人、おもしろい人…。
一発屋で消えていく人もあれば、スキルを磨き続けて、何十年も芸能界に君臨し続けている人もいます。
あまり公にはなりませんが、彼らは一体どのようにして、お金を稼いでいるのでしょうか?
芸能人といえども、税金の世界でいえば、一般人と同じルールが適用されます。
そこで、今回は、税務面から、芸能人の稼ぐ仕組みについて見ていきたいと思います。
芸能人の高額納税者番付
2000年代の中頃までは、毎年、芸能人の長者番付「高額納税者ランキング」というものが公表されていました。
テレビのワイドショーや週刊誌では、この話題が大きく取り上げられ、誰が1位で、誰が2位…
と騒がれていました。
これを見ると、どの芸能人が人気があって、よく稼いでいるのかが一目瞭然なので、週刊誌の格好のネタだったのでしょう。
しかし最近は、個人情報やセキュリティの関係もあり、公表されることがなくなりました。
人気や稼ぎだけでなく、節税のうまさも暗示しているようでしたので、私は興味津々に見ていました。
というのも、あの番付は、稼いでいるランキングではなく、たくさん税金を払った人のランキングだったからです。
私からすると、
番付で1位や2位をとっている芸能人は、節税していないのかな?
と思って見てました。
逆に、むちゃくちゃテレビに出て人気があるのに、番付に登場しない芸能人については、
節税がうまいなぁ…。
と思って見てました。
個人と法人で稼ぐスキーム
個人で事業をするよりも、法人で事業をするほうが、たくさん節税ができるということは、以前、紹介しました。
芸能人も、普通は、芸能事務所に所属しており、その事務所が、仕事をいれたりギャラを交渉したり、各種マネジメントをしています。
そうすることで、芸能人自身は、ひたすら、自分の芸を磨くことに専念できるのです。
仮に、ある芸能人が、芸能事務所から、年間1億円のギャラをもらったとしましょう。
この芸能人は、何もしていなければ、個人(事業主)ですので、1億円を受け取ります。
しかし、このうち、約4000万円は税金でもっていかれます。
つまり、手取り収入はざっくり6000万円くらいになるのです。
しかし、この芸能人が会社(法人)を立ち上げていたらどうでしょう。
この法人の役割は、ギャラを受け取るだけだったとしても、大きな効果を期待することができます。
先ほどの例で言えば、芸能人は、立ち上げた会社で、年間1億円のギャラを受け取ります。
こうすると、立ち上げた会社の売上は1億円になります。
その会社でさまざまな経費を計上していきます。(不動産、車、交際費、通信費…など。)
仮に、5000万円の経費を積み上げた場合、残りの5000万円が会社の利益となり、自分はこの5000万円をもらうようにするのです。
すると、この会社には、お金が残らないため、利益が0(税金も0)になりますよね。
あとは、会社からもらった個人の収入5000万円に税金がかかるので、2000万円程度の税金を払うことになります。
経費でさまざまな活動をすることができ、支払う税金も、個人事業主のとき(4000万円)と比べて、半額程度(2000万円)に抑えることができるのです。
よく、売れ始めた芸能人が、自分で会社をつくったり、副業にチャレンジするのは、このためです。
会社を立ちあげるもうひとつのメリット
芸能人が、自分の会社を立ち上げるメリットが、お分かりいただけたかと思います。
さらに言うと、会社を立ち上げた場合、他にもさまざまなメリットがあります。
会社を立ち上げたとき、家族を会社の役員にしておくのです。
親や妻、子どもを役員にするという選択肢があるでしょう。
こうすることで、家族に給料を支払うことができますし、何よりも、節税することが可能になります。
ご存知の通り、日本の所得税は、所得が多くなるほど、税率が高くなる仕組みになっています。
たくさん所得があると、たくさんの税金を払わなければならなくなります。
そこで、会社から自分だけに給料を全額支払うのではなく、家族にも支払うことで、給料の額を分散させるのです。
1人で600万円の給料をもらうよりも、3人で200万円ずつの給料にしたほうが、家族トータルでの税金は安くなります。
どうでしょう?
会社を立ち上げたときのメリットを見てきました。
しかし、これらの手が使えるのは、芸能人のように、ある程度、収入が多い人に限ります。
あまり収入が多くない人は、個人で仕事を受けたほうが、何かと得をすることもあります。
このあたりは、起業の専門家や、税理士に聞いてみるとよいでしょう。